仏舎利
弘法大師は両部不二と言って、統一された世界を考えていました
ですが言うだけで、どれがそう、という具体的なものは無く、理念だけです
その答えが台密の蘇悉地です
密教の理論で、必然的に必要になる答えです
空-->胎蔵
唯識-->金剛界
仏舎利信仰-->蘇悉地
空と唯識は哲学的な基礎で、仏舎利信仰がその二つを統合した信仰形態という考え方です
ですから、根本のお釈迦様への信仰です
それが、比叡山から発展して、念仏、禅、法華、といった広がりにつながりました
蘇悉地曼荼羅といったものはなく、具体的な作法の総称が蘇悉地です
サンスクットを翻訳すると、妙成就で、成就するための方法ですね
僕は、インドで仏舎利を何回か実際に参拝しています
デリーのインド博物館にあるのですが、館内も暑いのですよ
ですが、舎利の周りだけ、なぜかひんやりと涼しいのです
真言宗は、お釈迦様への信仰が、大師信仰になって、極めて日本的な密教になりました
加持力の根源が弘法大師です
天台の加持力の根源は、お釈迦様です
これが、仏教を俯瞰するにはいいのですが、「これだけやってればいいんだ」的な、わかりやすさのない個性になるんですね
あれもこれもいいですよ、となります
ただ、天台宗が、皇室が最初に公認した宗教になったということには、日本にとって幸せなことだったと思いますよ
天台宗は、沢山の選択肢を持った宗教ですからね