透彫軸端
塗金透彫三葵紋軸端 寛政9(1797)年 直径35mm横37mm
不動愛染二幅対の仏画の軸端です
極めて精緻な造作です
江戸時代、刀の鍔(つば)を飾る技術が発達し、高度な彫金技術が駆使されました
二幅ある掛け軸の軸端は、四つあるうち、この一つだけ外れるようになっています
外して、鑑賞できるようにしたのでしょう
この仏画は、十代藩主治宝の時代に和歌山城内で使われていたものが、長保寺に寄進されたもののようです
治宝侯の時代が、紀州徳川家の文化芸術がもっとも栄えた時代です
治宝侯自筆の書画が数点、長保寺にも残されています
表千家では一位様と尊称して、現在でも治宝侯の書画をことさら珍重します