「癒される瞑想」の理論的背景12 天台と真言



天台四教義は五時八教のなかで説かれています
五時八教については、ここでは簡単にふれるだけにします、なにぶん、天台学の精髄ですので、ややこしいのです(汗)


五時
華厳時   (華厳経)
鹿苑時   (阿含経)
方等時   (維摩・思益・金光明・勝鬘等の大乗経)
般若時   (諸種の般若経)
法華・涅槃時(法華経・涅槃経)

化儀四教
頓教  仏の悟りそのものの教説
漸教  浅略から次第に深く説く教説
秘密教 相互に知られず、能力に応じて理解される教説
不定教 教示をうけた側で、能力に応じて理解される教説

化法四教
三蔵教 小乗仏教
通教  声聞・縁覚・菩薩に共通した教法
別教  一般的な大乗仏教
円教  天台の教法
それで、日本にきてから、これに密教が付け加えられました
この付け加え方に、時代的変遷があって、苦労したのがわかります
いずれにしても、真言宗で言う、顕密二教の分類とは全く違います


天台密教では、教主は釈迦如来です、で、釈迦大日一体とします
真言密教では、教主は大日如来です

無量義経に「釈迦牟尼如来を毘盧遮那遍一切処と号す」と書かれていて、 釈迦、大日一体の仏教経典による根拠とされているのですが、慈覚大師と智証大師は入唐して大興善寺の元政阿闍梨に釈迦、大日一体であることを念を押して確認して、仏教の正しい伝統であることをはっきりさせました

弘法大師は十住心論で、「顕薬塵をはらい真言蔵を開く」として、密教以外を薬の能書き、密教だけが薬、というように、釈尊のお経をばっさり切り捨てて、分類しました
大日如来>釈尊で、密勝顕劣ともいいます

現在の真言宗は、観音経や般若心経を祈祷に使って、その霊験を認めています


比叡山では、伝教大師が大乗戒を確立するため、徳一と激しい論争をして、大変な苦労をしました
大乗戒が公に認められたのは、伝教大師の死後です
これは、日本独自の戒律で、現在の日本仏教は、その大乗戒を守っています

弘法大師は、東大寺で行われていた有部律の具足戒(ミャンマーやスリランカと同じ、250程戒律があります)をそのまま採用し、その上にさらに密教の戒律を守ることを求めています




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