知識の探し方

本堂前の石畳
 

 

 

「弱者を助ける社会」ではなく「弱者が生まれない社会」を目標にしなければなりません




重化学工業社会が作り出してきた、格差や失業といった歪を修正する、セーフティーネットとしての福祉は、これからの高度に情報化されたクリエイティブ産業社会ではうまく機能しません

クリエイティブ産業社会が作る歪は、生産手段の有る無しや、就業機会の差から生じるのではなく、知識の差から生じることになります

ですから、年金、保険、といった富の再配分だけでは歪はなくなりません


教育と職業知識をいきわたらせる必要があります
これは、産業の競争力の源泉にもなり、国力という意味で安全保障の基礎にもなります

それで、僕はフィンランド式教育を参考にしなければならない、と思っているのです


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今の日本式は、指導要綱で国が教育目標を決めて、どこまで達成できたかを点数で評価し、達成度を競わせる、という仕組みを基本にしてるわけです

答えを知っている先生が、知らない生徒を教える
正解は一つしかありません
生徒は100%理解しても先生が知っている以上のことは知りません
間違いを、減点して評価します
だからこの教育法の優等生は、すでに知られている画一的知識しか知らず、失敗を常に恐れています
仕組み上、相手の成功よりも失敗のほうが、自分にメリットがあります


追いつけ、追い越せ、でやってきた過去の日本では、意味のある方法でした

しかし、減点法による教育では、今以上の世界を作れません
出来た所を評価する、加点法による教育が必要です 

 


じつは、イギリスでは、管理教育、競争原理、全国学力テストなど様々な努力にかかわらず、学力は向上していません

成績が上がらずムキなればなるほど、管理は強化され、落ちこぼれが増えます
日本でも、学級崩壊、不登校、生徒や教師のひきこもり、自殺など、管理教育は不適応者を大量に出しているのです

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知識の習得」が教育の最終的な目標であるなら、管理し強制し競わせ点数で評価するのは、合理性のある方法です

しかし、実社会では、「知識の探し方」が必要とされるのです
既にわかっていることなら、本を読めば書いてあります
実際は既にあるものではなく、新しい製品、よりよい性能、新規の顧客、新しいリズム、等々、誰も見たことも聞いたこともないことをする必要があるのです
特にこれからのクリエイティブ社会では、創造性がより強く求められることになります


重化学工業社会の歪を是正するセーフティーネットとして、年金、保険などの福祉がありました
クリエイティブ社会が生み出すであろう歪を是正するのが、創造性を重視する教育です
創造性を重視する教育は、同時に高い国際競争力ももたらすのです



単純に金をかけて高福祉社会を目指しても、クリエイティブ社会がもたらす知識の偏在による歪は無くなりません

フィンランドは第一次オイルショックの1970年代に国家の存亡をかけて教育改革をしました

今回の金融危機で、日本は、重大な岐路にたたされています
そんな危機感がない人が多いようですが

マスコミが宣伝する瑣末なことだけ見ていてら、未来はありませんよ








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