仏教の目的

胎蔵曼荼羅図 中心部分 長保寺蔵


仏教と、キリスト教やイスラムなどの一神教との一番の違いは


仏教ーーーーー>いつか仏になる
一神教ーーーー>絶対に自分が神になることはない

ヒンドゥーは、輪廻転生があると考えたり、多神教であったりと仏教と極めて似ているのですが


仏教ーーーーー>いつか仏になる 
ヒンドゥーーー>ビシュヌ、シバ、ブラフマンなどの最高神には絶対にならない

日本の神道も多神教ですが


仏教ーーーーー>いつか仏になる 
神道ーーーーー>天照大御神には絶対ならない

仏になる、のが他宗教には全く無い、仏教独自の思想ということになります
一般に、死んで仏になる、というのも、仏教文化の伝統のある国ならではということです

仏教では、たとえば密教の最高神格は大日如来ということになりますが、弘法大師は清涼殿で他宗の坊さんと議論を戦わせた時に大日如来になってみせたという伝説があります
ほんとかどうか、ということも大事ですが、仏教では、仏になることが当然のこととして想定されているということです


清涼殿の八宗論(せいりょうでんのはっしゅうろん)
 嵯峨天皇のとき、宮中に諸宗(南都六宗、天台法華(ほっけ)宗、真言(しんごん)宗)の大徳が集まって、おのおの習うところを唱えた。大師は即身成仏(そくしんじょうぶつ)の義を述べたところ、天皇から、教えは見事であるが、即身成仏の現証を見たいものだ、とのことばがあった。大師がそこで五相三摩地観(ごそうさんまじかん)に入ると、たちまち大師の頭頂から五仏の宝冠が湧(わ)き、五色の光明を放った。天皇は思わず大師を礼拝(らいはい)し、天台の円澄(えんちょう)その他の僧、群臣もことごとく立って、威光赫々(かくかく)たる仏の姿を拝した(『元亨釈書(げんこうしゃくしょ)』)。 コトバンク
https://kotobank.jp/word/%E7%A9%BA%E6%B5%B7%2F%E5%BC%98%E6%B3%95%E4%BC%9D%E8%AA%AC-1614471
http://www.reihokan.or.jp/tenrankai/list_tokubetsu/2011_10.html

この画像は、清涼殿で弘法大師が大日如来になった時の様子を描いたとされている画像です
ちなみに、江戸初期に長保寺が真言から天台に改める直前には、この高野山善集院の末寺でした

寛文六年に長保寺が天台宗に改宗するにあたっては、和歌浦雲蓋院の僧憲海が高野山西院谷の善集院と交渉している
長保寺の伽藍に関する二、三の考察  和歌山県立博物館 学芸員  竹 中 康 彦
http://www.chohoji.or.jp/intro/tou-6.htm


仏教の目指すところは、他宗教には無い、極めて独自のものです

この目的を、坊さんは毎日唱えています

願以此功徳 普及於一切 我等與衆生 皆共成仏
がんにしくどく ふぎゅうおいっさい がとうよしゅじょう かいぐじょうぶつどう
願わくは此の功徳をもって あまねく一切に及ぼし 我等と衆生と 皆共に仏道を成ぜんことを


仏道を成就する」というのが、目的で、まあ、決意表明ですね

これが無いとですね
茫漠とした精神世界で、迷子になります



「仏になる」と決意してください

いつか「仏になる」、と信じていれば、全ての行いは自ずと身に備わります

自分の「良心」を信じてください 「良心」を突き詰めていくと、仏心に突き当たります そこまで言い切るのは、仏教だけです
キリスト教やイスラムでは、人は絶対に神にはなりませんが、仏教は、なんてったって成仏を目指してますからね




一切衆生悉有仏性(涅槃経)
いっさいしゅじょう しつうぶっしょう
一切の生あるものに、ことごとく仏性あり
この言葉が、お釈迦様の臨終の時の遺言です

生きとし生ける者に、すべて、仏となる性質がそなわっています
虫でも魚でも、猫や犬でも、もちろん、全ての人間にも

どのような人にも、心の奥底に仏性があります
仏性があるから、先ずは、自分を信じることが必要です


仏菩薩を尊敬し
八百万の神を尊敬し
イエスキリストを尊敬し
アラーの神を尊敬し
自分を信じる


世界のどこに行っても、これで誰とでも友達になれます
「信じるに値する自分」になる努力が必要だ、ということでもあります
朝起きて、誰かが代わりに便所に行ってくれるわけではありません
腹が減って、誰かが代わりに飯を食ってくれるわけでもありません
生きていくのは自分なのです

自分を信じられない人は、他になにかを信じることはできません
自分を信じられない人は、誰かを信じているようで、それは盲目的に依存する「おすがり」です





癒される瞑想

    



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