「心経」のわかりやすい解説
![イメージ](https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEiGBFJri2dKjowg3zKz6gh5op7qHIMNUFV5gWpH3SKnd1l5Fb-ptTc14zRb6ILeVApJxzWFmR53j87zQ8HC8rPD9YPOdve07esQCqYJxh9Yprio9nHR8a8aWPbaU-KmTUyoa4t6ZpL8U8sI9tErSiqzSpVCuw3tLA09F1PMXXhMrL5YiX8XZIrFKA_7KCU/w640-h418/GhdO2inacAAmAuM.jpg)
心経の「自在に観る」というのは、観自在菩薩という仏様がそこにいるとかではなく、「一切の転倒した夢想を遠離する」という意味です 誤解、勝手な思い込み、狂信、刷り込まれた常識、などを始めとした、一切の固定観念から解放されて、つまり「 自在に観る 」ということです 隅寺心経(奈良時代) 長保寺蔵 これが簡単ではないのです この図式で言えば、「色(しき)」は転倒した夢想で、この「色」を遠離して「空(くう)」を観るのが仏教の修行の 肝心要の要点 です 心経は、短いお経ですが、二回も「舎利子(シャリプトラ、智慧一番の仏弟子)と呼び掛けています この 呼び掛けているのは、お釈迦様本人 です つまり、心経は、お釈迦様が「自在に観た」世界が直接語られています ですから、心経読誦のコツは、「お釈迦様になりきって読誦する」ということになります 「仏様になりきる」というのは、密教では、「入我我入」といって基本になる瞑想法です まあ、40点位から初めて、もちろん100点はお釈迦様ですけれど、60点とか70点を目指すことはできます 今日はもう1点とろう 、という心構えが大事です それがなければ、人間に成長とか進歩がなくなってしまいます 金剛界大日如来 長保寺 多宝塔 仏様には世界がどのように観えているか、心経にざっくりとではありますが、書かれています 「色不異空・空不異色。色即是空・空即是色」 「この諸法は空を相としている」 感覚器官によって脳内に形成される「色」は転倒した夢想ですから、「空」、まあ、 感じられる前の世界 を観ているのです 「空」とはいかなるものかといえば 心経では「不生不滅。不垢不浄。不増不減」 物理学のエネルギー不変の法則に近いかもしれません これを八不としてナーガルジュナ(仏教最高の学僧)が整理して 一異、同断、生滅、去来 一でも異なるでもなく、同じでも断絶でもなく、生ぜず滅せず、去りも来もしない 龍樹菩薩(ナーガルジュナ)画像(南北朝時代) 長保寺蔵 心経では「空」には「老いも死もなく」「恐怖もあることなし」と説かれています 老い、死、恐怖は「色」の側にあるからで、「転倒した夢想を遠離」して「空」の側から観るなら「一切の苦しみも厄難も」ありません ですから、仏教的な問題解決方法の第一歩は、 自分の都合を離れて観る ということです 自分の都合を離れて「空」から観...