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12月, 2010の投稿を表示しています

まだ冬眠しないムササビ

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夜、家の中にムササビが入り込んできました ムササビは人間が近くにいてもストレスを感じませんから、いままで何回もこうしたことがありましたが、年末は冬眠している時期なのでたいへん珍しいです 梁の上を走りまわっています すばやく動くので、なかなかちゃんと写真が撮れません 天井の隅の穴から山に帰りました

パクリ考

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和歌山の石屋さんのイメージキャラのメイスン君 メイスンキタニ のキャラです この画像、実は吹き出しの部分や手が動く動作は、僕が作ったものです で、こちら、廈門 (あもい)の石材業者で発見した、パクリ製品 顔の形が意図的に、やや変えてあります 実はこれ、ある九州の石屋がパクッて、顔の形を変えて、メイスン君ではなくメイトン君(仮称)として廈門 (あもい)で作らせたものを、勝手にまたパクられて大量に作られて販売されているものです つまり、 二重パクリ 何と言うか、世界に広がる、パクリメイスン君の輪ですな で、これを名古屋のある石屋さんが買って帰って、自分の店のキャラクターにして、店頭に置いているらしいです メイスン君そのものを、これまた勝手に自分の店のキャラにして、キャラの絵を電話帳の広告に載せている日本の業者もあります パクリ連鎖ですな お話としては、これは、顔が違うから別のキャラであって、パクリとは言えないという理屈が成立し、ノープロブレムで終了らしいです・・・・ 思うに 中国で、特許とか意匠登録とか、実に自分勝手になされて コピー製品が野放しで、音楽やソフトも海賊版が大手を振って販売され、著作権など守るつもりはないようですが 発明発見、創作、創造、こういったものの権利を認めない文化が、はたしてこの先やっていけるのか? 中国では、苦労して発明や創作をしようという意欲が、著しく損なわれることは間違いありません パテントという概念は、おそらく長いヨーロッパの歴史の中で発達したのでしょうけれど、これぞ、文明を発達させる原動力にもなるものであって、権利を認めないということならば、秘密主義がはびこり、意欲は損なわれ、失うものが非常に多いでしょう 中国は、見かけ、文明国になりましたが、まだまだ付け焼刃なのであって、文明のキモが全くわかっていない まあ、共産主義は、「発明創作の権利を認める」などという概念とは相いれないのかもしれませんが 中国国内発の、本当の自前の文化、発明発見、そういったものを育てたいのなら、パテントを守ろうという気持ちにならないと無理ですよ 中国5000年の歴史、とか勝手に言っていますが、どうも、こんな調子では、当分、文明国にはなれそうもありませんね    

さて、来年はどんな年になるでしょうか

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2010/04/17 これからの世界 2010/04/22 続 これからの世界 2010/06/08 日頃何を感じているか 2010/12/21 ニューワールド そろそろ一年も終わりますので、来年のことなど考えてみます 今年は、2月に、インド・ネパール・タイ、先日は中国福建省と、海外に行く機会があったのですが、リーマンショック以来の世界情勢の激変期にちょうどいい見聞をさせてもらったと思います 世界の変化のスピードに加速度がついてきた これは、たとえばインドには平成4年から6回行っていますが、今回初めて走っているインド人を見ました 中国は鄧小平以来、経済の開放が進んで、いまやバブル真っ盛りになりましたが、いよいよ、それにインドも参戦します ブラジルは中国以上のバブルで、ワールドカップもオリンピックもこれからですから、どう考えても、世界経済の変化は加速するとしか考えられません リーマンショックの対処療法でアメリカのFRBとユーロのECBがしたことは、お金の増刷です その、ジャブジャブになったお金が新興国に注ぎ込まれて、まあ、乾天の慈雨であるのだろうと思いますが、遅れていたインフラ整備を促進し、GDPが成長して経済活動が活性化し、そこから派生して国力の増強にも繋がっています アメリカとヨーロッパの低金利は、まだまだ続きますから、当分、世界経済はお金のダブつく状況が続き、変化のスピードが衰えることはありませんね ユーロは分裂しないでしょう ギリシャから始まり、アイルランド、そしてスペインと、ユーロの信用危機はどんどん連鎖しています 財政破綻した国はユーロを離脱すれば、自国で通貨を印刷できて、つまり、お金の水増しを好きなように行えますから大きなメリットがあるのですが、ユーロの巨大経済圏に止まる方がメリットが大きいのでしょう ドイツは、でたらめな経済運営をする国の面倒をみる格好になりますが、とどのつまり、ユーロ安が自国の貿易にメリットをもたらすのです 仲が悪いまま、呉越同舟であっても、ユーロをぶっ壊すことから今以上のメリットは生まれないでしょう 中国は矛盾を抱えた巨大国家で有り続けるでしょう 今、中国はバブル経済に湧いていますが、一人当たりの所得は、日本の10分の1くらいです それを、沿岸部の住人と共産党幹部で独占

ニューワールド

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      中国の石屋さんです 広大な敷地に、大小様々な石像が展示してあります ちなみに、こちらは全部本物の石です  廈門 (あもい)周辺は石の産地で、石屋がたくさんあります 現在、日本の墓石は、ほとんどが廈門 (あもい)からの輸入です 大きな観音さんの石像もあります こちらにある等身大の観音さんを毎月15体買っている日本の石屋さんがあるそうです ご覧のとおり日本で問題なく通用するお顔です 全体のクオリティも問題ありません 価格は、今までの日本の常識の10分の1位でしょうか 感じとして、破格ですね これが、日本から 飛行機で2時間半 の街ですよ 中国の人件費は、都市部で日本の4分の1から5分の1位でしょうか 上海のユニクロで月給4万円で安いといってやめる人がいるそうですが、まだまだ日本とは差があります 人件費が高騰していると言いますが、日本の半分になるには、それでもあと10年か20年かかるでしょう ベトナムやタイに行けば、まだもっと人件費が安い 今は、カンボジアやバングラディシュ、インドネシアがもっと安いと言って製造業がシフトしていっています とてもじゃないけれど、このままでは日本国内の製造業はやっていけませんね 日本でなければ出来ない、日本人にしか出来ない、他でマネのできない、こだわりと言うか、作り込と言うか、独特の質感と言うか、なければ、もう生き残れません 中国や韓国のことを好きとか嫌い、正しい間違っているといったところで、爆発するエネルギーが止まるわけではありません 要は、日本がもっとしっかりすればいいだけのことです 国内で、足の引っ張り合いをしてる場合じゃありません 新興国に猛烈に追い上げられているのを理解するしかないのです つい1,2年前まで「カントリーリスク」という言葉がありましたが、もう言う人がいなくなりました 「新興国バブル」という言葉も終わりだそうです これからは「ニューワールド」と言うそうです 今まで、後進国と言われ続けてきた国々が、リーマンショック以来どんどこ増刷されるドルとユーロを注ぎ込まれて、猛然と勃興してきたのです この流れは、もはや止まりません ただ、結論的に言えば、資源限界があるので、貧富の格差が解消することはありませんが、それも、当分先とはいえ、技

今、仏像はどのように作られているか 3

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ここは、新しく出来た工房です 三階建てのビルのようです 実は、中はだたっぴろい空間で、片隅で作業をしています まあ、日本人的には見慣れぬ光景ではあります 一人でコツコツと ま、わかります おんや、二人がかりで彫ってますね まあ、納期は半減しますけど   なんと、四人がかり これは、これからも、日本では無いでしょうね   大きな仏像を彫るのにこの高さが必要だと言うんですが、ちょっと、大きすぎないか・・・ まあ、日本人的な感覚ですが これを、バイタリティーと言うのでしょうか エネルギーと言うのでしょうか    こうして、中国の仏像制作の現場を見てみると、物へのこだわり、とか、技術への誇りとか、出来上がった作品への感情移入とかは、あまり感じられません 物を人格の一部とみなす文化がないんでしょうね さて、そうした文化から、はたしてこれから、より高度な物作りが生み出されるのか? 中国で、物作りが、ドイツや日本のようにお家芸になるのか? 食べる時、箸を使う国では、手先が器用で、ひととおりの物は作れます ただ、物作りに魂を込めるかどうか、というのは文化や歴史が必要ではないですか 文革で、ためらいもなく、すべてのお寺と歴史を破壊しつくした民族が、物にこだわるとは考えづらい 中国では、似たものは作れても、本当に創造的なものは、当分生み出すことは無いんじゃなかろうか、というのが僕の感想ですね 皆さんは、中国共産党のチベット弾圧のイメージが強く、実際に中国大陸で仏教がどうなっているか御存じ無いかもしれませんが、この工房では中国向けの仏像も沢山作られていて、むしろ出荷は増えています 中国では、憲法で信教の自由が認められています ですが、お寺の中での布教はいいのですが、外に出ての活動は禁止されています まあ、実際のところは、どんどんと変化していて、おそらくは、あと50年もしたら、明治維新前と後位違っているのかもしれません 福建省は台湾に地理的にも文化的にも近く、僧侶は台湾と同様、非常に尊敬されています 肉食妻帯はせず、葬式もしません 日本の坊さんで、中国でも通用する人はわずかでしょうね チベットでは、弾圧に屈せずに信仰を守っている坊さんが多いのですから、そもそも根性が違います ただ、「精進

今、仏像はどのように作られているか 2

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大きな仏像が並んでいますね 石造でしょうか 一つの岩?どうやって運んだのでしょうか? あれ・・・ 実は、グラスファイバー製なのでした つまり、型からパコパコ抜いて、同じものがいくらでもできる理屈です 大きいものから小さいものまで、なんでも出来ます 原型さえきちんと作られていれば、問題ありません 工房の片隅で、こんな感じで粘土の原型を作っています 日本だったら、仏師の先生ですが、中国では、一介の職人扱いです これは、石の粉を吹き付けているところ これで、どこからどう見ても石造に見えます あたりまえです 表面は、本当の石の粉ですから、石にしか見えません それを磨いて、ピカピカ艶々の石像にすることもできます これは中国国内向けの像ですが、二人で同時に着色しています 下書きもなしで、見事なものです まあ、日本では見かけぬ光景ですね 続く   

今、仏像はどのように作られているか

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あなたの知らない話です 先ず、これは原木です すべてケヤキです 日本では、数に限りがあり、たいへん手に入りにくくなっていますが、中国ではご覧のとおりいくらでもあるようです これを、削って仏像を作るのですが・・・ 手順を追って説明すると 先ず、原型を作成します、それを、でかい旋盤のような機械にセットします、チューンと回して削ります、同時に7体、長さ2mまでなら削れます、8割位の完成度になった物を手仕事で彫って仕上げます 山のように原型になる像があります ストックされているだけで、この5,6倍はあるでしょう 頭の上に機械に挟むためのブロックがついています 頭の上と、台座の下で機械に挟んでセットします この機械なんですけどねー 実際に動いているところは見れませんでした 西ドイツ製だそうです これが原型で 機械からの出来上がりに手を入れて こうなります ご覧のとおり、ほれぼれするお顔です 今まで、中国製は中国顔になったものなのですが、全く無問題どころか、背筋が伸びる出来栄えですね 多品種多量生産 多品種少量生産ならお聞きになったことがあると思いますが 実際に行われているのは多品種多量生産なのです こんな感じで、なんでも出来ます 次回に続きます    

長保寺型本水晶五色宝玉瓔珞

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長保寺型本水晶五色宝玉瓔珞 今回、大阪大仏堂さんにお世話いただき、国宝本堂の華曼(けまん)の瓔珞を中国の福州にある仏具屋さんで作りました 今回、中国に行った主な目的はこの瓔珞の検品です 白は珊瑚 黒はオニキス 赤は瑪瑙 黄はコハク 青はラピスラズリ 全部本物の玉です 先端の涙滴型の水晶は削り出したものです 金具は銀に金メッキ 当然、全部別注の特製品です ご覧の通り、キラキラと輝いています 綺麗ですね 玉の瓔珞は昔からありますが、五色の物は長保寺だけです 検品してみて、玉に通す絹糸をやや細く感じました 常時吊り下げますので、伸びてくる恐れがあるので、太くするよう指示しました 糸を通すのが、ちょっと難しく、手間がかかるのですがなんとかなりました 来年、長保寺の本堂は創建700年を迎えます これは、その記念事業の一環です まだ、他にも作っている物がありますので、出来上がりを楽しみにお待ちください 五色の意味 赤、青、黄は光の三原色でこれに白と黒を足せば作れない色はありません。同じように心も世界の全てを作り出しています。心の動きを色に配当したのが仏教の五色です 青--空--前五識--妙観察智,阿弥陀如来 黒--風--意識----成所作智,不空成就如来 赤--火--阿頼耶識--大円鏡智,阿しゅく如来 白--水--如来蔵--法界体性智,大日如来 黄--地--末那識--平等性智,宝生如来 前五識---眼,耳,鼻,舌,身,の五つの感覚器官 意識---起きている時の普通の意識 末那識---自意識,自分という感覚を作る 阿頼耶識---潜在意識,記憶を蓄える 如来蔵---仏心   仏教は 「唯識観」 と言って、自分が生きている世界は心によって把握されているということを根本の基礎にして組み立てられています。 暑い寒い、嬉しい悲しい、全て心が感じているということです。このこと自体べつだん不思議でもなんでもないことですが、一番大事なことです。 この心は原因と結果が連綿と続いて働いています。 これが「縁起の法」で、 因-->縁-->果-->報-->因 つまり、原因-->条件-->結果-->喜怒哀楽-->それがまた原因になる 切れ目無く無限に

考え方を変えました

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福州のホテルから見た街並 福州の夜の街の様子 廈門 (あもい)のホテルからの見た街並 福州は関空から直行便で2時間25分です 日本で中国について様々に伝えられていますが、つまりは、大きすぎて一部分しか伝えられていないのです 中国では街によって、日本人の感覚で言えば、別の国になります 覚めた目で中国を見ても、謙虚に言いますが、おそらくは一部分しか当たっていません 資源やエネルギーの限界や、経済格差、環境破壊、民俗問題、言論の自由、と数えれば弱点はいくつもありますが、ある街にはあてはまり、ある街には当てはまらないというのが現実でしょう 14億の人口を抱える国が発展を欲しているという状況は、人類史上、前代未聞です 今回はお寺の用事で福建省に行きましたが、ほぼ台湾の向かい側で台湾文化との同化が進んでいて、極めて急速に発展しています 今の日本の25歳以下の人は高度成長とかバブルとか聞いたことがあっても経験したことはないですから実感が全くわからないと思いますが、中国には巨大なバブルが進行しています 日本のバブルの時代を思い出します バブルとはどんなものか経験したければ、今の中国に行くことをお勧めします 当然ながら、旅行者であっても、様々な矛盾、不条理を目にすることはありますが、それを超えて躍動するバイタリティーを感じます これで4回目の中国なのですが、変化に加速度がついている感じです 前回行ったのは13年前ですから、様変わりしても当然なのですが 元気をもらう、というよりも、圧倒されます ふと、日本人はいつからこんなにもジョボクなってしまったのかと思います 自分のショボさを自覚しなければ、もはや覚醒することはないのではないかと思います 古代ギリシャも、古代ローマも、大航海時代のスペインも、大英帝国も、没落していったのですから、日本がこれから没落しないという保証は有りません ボヤボヤしてらんないぞ、と思いますね

中国の福州に行きます

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8日から12日まで中国の福州に行きます 台湾の向い側位の場所で、気候は沖縄くらいの気温です 本堂の荘厳具の一部を特注していて、検品を兼ねて、設計した仏具屋さんと行きます 中国は4回目ですね 中国には高度成長の前から行っていますのが、高度成長してからは行っていないので、どんなになったか変化をこの目で見るのが楽しみです 今の中国について皆様もいろいろお感じになっていると思いますが、まあ、どんどん変化していっているわけで、今日の姿がそのまま100年後もあるということでもないし、「こんな国だ」と決めつける必要はないと思ってますよ よその国の心配より、自分の国のことが心配ですね