自灯明 法灯明
=豆知識= 自灯明 法灯明 じとうみょう ほうとうみょう (涅槃経) これも、お釈迦様の遺言です 最後の言葉とされています 自らを灯明(暗闇を照らす明かり)とし、法(自然の法則など)を灯明とせよ 「なにか自分以外のものを信じろ」とか、「王様に従え」とか、言いません 「ひとに優しくせよ」とも言いません ややこしく考えなくても、我々は皆、自分がいいと思ったことをして生活してます 間違いもあれば、失敗もします いいと思ったことでも、よくなかったことなど、いくらでもあります 誰かが助けてくれることもあるし、教えてもらうこともありますが、なにを言ったところで、最後は自分でするしかないのです 自分で出来る範囲が、つまり、自分の人生です その自分を信じるのはいいのですが、傍から見ればとんでもない犯罪を、犯す人もいるのです なんでもかんでも、自分を信じていていいのか・・・ 世の中、バッラバラになるじゃないか・・・ それはそうなんですが、そうやって人は生きているのです 間違いを犯し、失敗する人間ですが、その間違いを悔い、失敗を反省するのも人間です 間違いから学び、失敗から経験を積み、振り返ってみれば、前に進んでいるのではないですか バランスをとろうとする力 正常に回復しようとする力 幸せを求めようとする力 そういう力が、欲望とか損得勘定とかとは別に、あるのではないでしょうか 人の心の底の、そのまた奥深くに、どうしようもなくある、智恵だと思います 智恵に素直になれるかどうか、これ、問題です ただしかし、自分の心の中に智恵がある それを忘れちゃいけませんよ、と その智恵を、仏教では仏性と考え、西洋哲学ではソフィアと考えると 「一切衆生 悉有仏性」と「自灯明 法灯明」が対になって、仏教の背骨になっているのです