「無責任」対「欲ボケ」


今の日本の歳入からすれば、国債発行高は増え続け、時間の問題で破局が来る

増税するしかないのだけれど、言いだせば選挙で負ける

行政改革をして支出を減らせばいいのだけれど、無茶苦茶抵抗される

で、座して死を待つ、ことになりかねない

 

「官から民」へ、という掛声は、非能率的で無愛想な官業のうち、民間でできることを民営化するという、理屈としては真っ当な考え方なのだけれど、これが、どいつもこいつも欲ボケでなかなかうまくいかない

「大きな政府から小さな政府へ」という流れも、つまり同じことで、今回の金融危機で、もう素直に信用されない考え方になってしまった
新自由主義とかなんとか言って、市場原理にまかせれば、なんでもかんでも最適化されるとは、もう誰も思わないだろう


官、大きな政府 ーー 無責任、画一的、非効率的、などの弊害

民、小さな政府 ーー 欲ボケ、自分勝手、弱者切り捨て、などの弊害 


異論もあるだろうけど、どっちもどっちで、目指すべき姿ではないという理解でいいと思う

さて

僕は、経済指標だけで社会のパフォーマンスを評価するという方法論自体に限界を感じている
つまり、衣食足りた金余り世界で、さらなる生きがいや、社会正義が求められているわけで、いまさら、3度の食事を5回にするとか、睡眠時間を3倍にするとかしても、誰も喜ばないのです

有り余る冨に囲まれた人がいる一方、貧困や差別に苦しむ人がいるという、格差や不条理は、金儲けだけを目標にしていては解決されません

国家として考えると、格差が放置され、国民の能力が最大限発揮されないのであれば、国際競争力が劣化してると言わざるを得ない

金儲けに成功した人が、格差是正のため、相応の負担をする必要があります
ま、これが、理屈はそうなんだけれど、うまくはいかない 


それで、注目したのが、「幸福度」という考え方ですけど、幸福度が高い国というのは、北欧とか、比較的小さい国が多いのです
国家の意思と、住民の意思が近くなければ、うまくいっている統治とは見なされません

幸福度の高い国は、一般的に税金を高くして社会保障を充実させるのですが、自分たちの意思が反映されて、税金の見返りが十分あるという了解がなければ、高い税率は成り立ちませんよね
人口が多いと難しい

それで、日本はスカンジナビアモデルは無理だろうと思っていたんですが


それがですね

幸福度を高める道州制プラン

こういう研究があって、道州制によって日本を1000万人位の単位に分ければ、幸福度も北欧並みにいけるのではないかという希望がでてくるわけです

今の日本の行政から、権限の移譲で効率化できれば、公務員数をへらすことができ、税金をさほど高くしなくても、社会保障が手厚くなり、国債の償却も進むかもしれない
まあ、希望的観測ですが


「無責任」と「欲ボケ」のせめぎあいも、行政単位の効率化で、「責任ある活力」に変身できる、可能性が出てくる

 

基本的にすべての権限を、行政効率がいい30万人くらいのにあたえる

それでやれない広域的な仕事を1000万人くらいのがする

外交や安全保障、金融政策など、州までで拾えないものだけをでやる

 

誰も見たことのない世界ですね


EUがモデルという考え方もあるようですが、あれは、戦争の結果ですから、やっぱり、かなり複雑で、ちょっと違うと思う
お互い軍隊持って警備してるんですからね


日本が、これからのグローバル化の進展する世界で生き残るため、どこもお手本にせず、自分で試行錯誤しながら進化していく、その先にあるのが、道州制なのかもしれません


国民を元気にする国のかたち



それでも、誰かが助けてくれるわけではなく、結局は、自助努力が必要です

「大男、総身に知恵が回りかね」

権限委譲で、行政単位を小さくし、切磋琢磨する環境ができれば、さらなる進化ができるのではないでしょうか


終え尽きようとしている焚き火も、ちょっと突くとまた燃え上げるように、世界の経済システムが破綻した今こそ、道州制を真剣に考える必要があるんじゃないでしょうか





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