2015/11/30

国宝本堂、多宝塔




長保寺本堂   附 厨子一基
   国宝 明治37年9月29日指定

 桁行五間、梁間五間、一重入り母屋造、向拝一間、本瓦葺の建物で、長保2年の草創以来、度々の再建をうけてきたが、現在の本堂は延喜4年(1311)の建立になるといわれる。
 天和3年(1683)の記のある「長保寺記録抜書」には「一、長保寺古書ニ云 長保寺棟上延喜四年辛亥五月五日 大願主僧承禅律師印玄并衆徒等僧浄明氏人等 大工藤原有次」と記されている。以後、近世まで数度の修繕があったと思われるが、記録を欠き、寛文6年に紀州徳川藩主頼宣公が帰依され、菩提寺となるまで何の資料も見られない。
 「当山諸堂絵図面」には「寛文七丁未年十一月徳川頼宣修繕之以来御一新迄徳川家ヨリ修覆仕候」とあるので藩主の保護を受けるようになった寛文頃までは、かなり建物の破損があったと思われる。この寛文の修理はどの程度であったか記録がなく、また大正9年の修理でかなり復原されたため大正の補足材も多く、詳しく知る事はできない。しかし、現在使用されている向拝頭貫は、その絵様、繰型よりもこの折のものと思われる。
 堂は方五間で、柱頭の粽及び組物の笹繰り、拳鼻など唐様の手法をとりながら、出入口の幣軸構え、連子窓、組入天井、吹寄せの菱格子、扠首組の妻飾りなどは和様の手法によっている。すなわち二つの様式を融和混合し、しかも独自の計画と好意匠に成功した例である。向拝の一部や、厨子の正面間口、小屋組等に後補がみられるが、その他はよく当初材を残している。
 県下の鎌倉時代遺構中、梅田の釈迦堂が純唐様であるのに対し、この堂は和様と唐様を折衷した様式を代表するものとして極めて重要な意義がある。なお内陣の須弥壇、厨子も本堂と同時のものである。
 昭和47年の修理では、正面ほか側面、背面の棧唐戸を復旧したほか、内陣正面の鴨居位置を下げ、脇陣の間仕切を旧規に復し良好な姿となった。また、両側面の前から第2と第3の間に間仕切があったことが判ったが、後世の改修によるものである。
 昭和36年9月の第2室戸台風では被害をうけ、西北隅部の補修を行っている。 

長保寺多宝塔
   

国宝 明治37年8月29日指定
   昭和28年3月31日

 この多宝塔は、三間多宝塔の本瓦葺であって、寺伝では本堂と同時の建立とされているが、構造、手法からみると、やや年代が下るようである。康永3年(1344)の弘法大師御影堂建立の勧進状には塔の名が見えることから考えると、その頃にはすでに建立されていたことが知られる。
 本堂が和様、唐様を折衷した様式からなっているのに対し、この多宝塔は純和様を採用している。
 この多宝塔は一重と二重の釣合いがよく均整のとれた優美な意匠をみせる。さらに著しく低い亀腹と、勾配のゆるい屋根などがよく調和して安定感を与えている。細部においても力強い組物に美しい蟇股及び折上小組格天井の雄健な手法など、外観、内容ともに現在多宝塔中の傑作の一つである。
 初重の柱はすべて円柱で、内部には四天柱が建っている。側廻りの柱には、現内法長押の一段上に旧長押取付の襟輪欠きや、長押止釘痕と取付の風蝕差が認められ、かつては頭貫と内法長押間の小壁はもっと狭かったことが知られる。
 現在内部は折上小組格天井となり、天井廻縁に相当する内法長押は幣軸上に廻るが、幣軸の高さが内外異になり、外側では楯前面に取付くので、外側の内法長押が一段上ると内外の幣軸の納まりがよくなる。
 外側の内法長押を一段上げると、両端間の連子窓も高いものになり、形がより整ったものになろう。この塔は和様になるが、内部の仏壇は禅宗様で、その腰の唐草彫刻はすこぶる優美な作である。ことに正面勾欄は平桁がなく、蕨手と地覆間の網目に巴文の入った透彫りは他に類例のない珍しいものである。

清文堂「和歌山県の文化財 第2巻」より


2015/11/28

Chromebook買いました



どんなものなのかと思い、Chromebookを買いました




実は、このブログは日本の読者よりアメリカの読者のほうが多いのです
それも、なぜか去年位から急増しました

なぜなのか全然わかりませんでしたが、どうやら理由がわかりました
去年から、アメリカの学校や公共機関でChromebookが大々的に使われるようになったのです
去年の春で、100万台のChromebookが出荷されたということらしいです

ChromebookのOSはリナックスベースで、非力なパソコンでも高速で動くのがミソです

今、このページをChromebookで作っていますが、特にストレスはありません
ちょっと不便なのは、モニタが小さいので、文字が小さくなる事くらいですが、大きさの調節をすることでなんとかすることもできます
パソコンでする仕事は、ほとんどできます

負荷の高い仕事や、Chromeにない種類のアプリは、リモートデスクトップを使えば、ウインドウズパソコンやMacを簡単に遠隔操作することができます

デスクトップの作業をChromebookでしています
後ろがデスクトップの画面です
wi-fi接続ですが、遅延はほとんど感じません




そして、セキュリティの管理が強力で、ほぼ全てのアプリは無料です
値段が安いのも大きな魅力です



それで

僕のブログを、アメリカからChromebookでアクセスする人が急増した、ということなのです

時代はどんどん変わりますね


Chromebookが米国でウケた理由 Wired
http://wired.jp/2015/03/02/acer-chromebook/






2015/11/26

ホームページのデザインを変えました

長保寺のホームページのトップページのデザインを変えました
多少負荷がかかるかもしれませんが、回線スピードが変わってきておりますので、対応できると判断いたしました

 http://www.chohoji.or.jp/


それに合わせて、このブログの見え方も少し変えました
長保寺のトップページからインラインで見えるようにしました



2015/11/25

長保寺の五月からの写真 まとめ

長保寺の五月からの写真を、まとめたページを作りました

http://www.chohoji.or.jp/intro/201511photo/index.html






癒される瞑想

    



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長保寺境内 小雨








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2015/11/24

長保寺 山の様子









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2015/11/22

夕暮れの多宝塔







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2015/11/21

増上寺のお菓子

18日に、増上寺の塔頭寺院の皆様にご参拝いただきました
三つ葉葵のはいった、特製のお菓子をいただきました

本尊様にお供えして、今日さげてきて、さきほど開封いたしました




増上寺は紀州徳川家との所縁も濃く、八代将軍吉宗公の跡を継いだ九代将軍家重公、十四代将軍家茂公の御廟があります




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夕暮

大門遠景

夕暮

御廟門

通用門


紫式部





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2015/11/20

西国一番札所で法要

西国一番札所の那智山青岸渡寺で近畿教区の法要がありました
天台大師の命日の供養の法要です

集会所(しゅえしょ)からの那智の滝遠景

法要前の集会所(しゅえしょ)の様子です
なかなかご覧になれない姿です
ここで説明を受けているのは、法要で声明などを担当する寺院方です
会式(えしき)の進行を入念にチェックします

会行事(えぎょうじ、法要の進行役)の道成寺住職からの次第(しだい)の説明の様子


法要そのものは、総勢50名ほどで、私も参加いたしましたので撮影はできませんでした




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2015/11/19

エビとカニの水族館


フリソデエビ

オウムガイ

クリーナーシュリンプ

白いザリガニ

殺人ガニ

ウツボ

モズクショイ





2015/11/17

仏教の基本構造




 我々は感覚器官を通じて外界を認識して脳内に再構成しているのです
ですから、実際は、脳内世界を生きているわけです
で、真実の世界は、感覚器官で感じる前の世界なわけです
脳内世界が「色」真実の世界が「空」です





仏教史最大の学者のナーガルジュナ(龍樹)の説ですけど
「空」とはなにかを、八不(はっぷ)といって一異、同断、生滅、去来と定義していて、いわば仏教の基本セオリーです
一つでもなく異なってもいない、同じでもなく断絶してもいない、生じるでもないし滅するでもない、去るでもなく来るでもない
それで、僕はこれを量子論でいう、Suerpositionと近似する概念だと考えているわけです




多神世界 仏教の世界観
 
仏菩薩を尊敬し
八百万の神を尊敬し
イエスキリストを尊敬し
アラーの神を尊敬し
自分を信じる
 自分を信じられない人は、他になにかを信じることはできません。自分を信じられない人は、誰かを信じているようで、それは盲目的に依存する「おすがり」です



普通、宗教というと、「神を信じろ」と、あなたが何かを信じることを求めるわけですけれど、基本、仏教はそういう構造にはなっていません






仏教ーーーーー>いつか仏になる 






大まかに言って、仏教と西洋哲学と量子論の基本構造は、同じです




出家-->真実の生活--> 
在家-->仮の生活--> 
形に捉われない生活-->現在の日本仏教--> 






「みんなが、もうちょっと上を目指すにはどうしたらいいか」を念じたら、あなたは、お釈迦様と同じですよ











お堂の前でしかできない、簡単ですが、効果のある一種の瞑想法ですね






密教に三平等観という瞑想法があるのですが


我とホトケと平等
ホトケと衆生と平等
ゆえに、我と衆生と平等

ホトケが我を無条件に加持するのと同じように、ホトケは衆生を加持しています

我<ーーーーホトケーーーー>衆生






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第12回御霊屋コンサート

  毎年文化の日に十夜会(大治3年(1128))から続く、念仏法要が勤修されます 法要の後に、ささやかな奉納コンサートを行ってきました 今年でもう12回目です 1128年というと、法然さんや親鸞さんがお生まれになる前です 念仏そのものは、慈覚大師が五台山から招来したものですから、...