2017/02/14

心経玄談 11


無無明亦無無明尽 乃至 無老死亦無老死尽
無明は無い、また、無明の尽きることは無い
老死は無い、また、老死の尽きることは無い

これは十二縁起のすべてにおいて、「無い、また尽きることは無い」と言っているわけです
十二縁起の説明は、ざっくりと省略します
必要のある方は、検索するなどしてお調べください
心経は、呪を説くための経典ですから、理論を徹底究明するのが最重要ということではありませんから

大事なところは、色即是空と照らし見ても、
老死は無い、また、老死の尽きることは無い
と、「老死は無い」としているのに、「老死の尽きることは無い」と言ってるわけで
これは十二縁起で、「無明の尽きることによって・・・老死も尽きる」という、仏教的な救いのセオリーをも否定しているわけです
否定(老死は無い)の否定(老死は尽きる)の否定(老死の尽きることは無い)で肯定と、矛盾してくるわですが




神話的コスモロジーの説明にもありましたが
深層意識でのイメージはコスモロジーがあらかじめなければ、体験とならず、他者とも共有できない。宗教体験の核心には、神話的コスモロジーが必要である
生きているかぎりは、神話的コスモロジーを作り続けるしかないのですが
この、神話的コスモロジーは、真実そのものではありません

神話的コスモロジーは、文化的背景に導かれて脳内に作り出された印象にすぎません
ですが、この印象がなければ、世界は認識されないのです

肉体が衰えるから「老い」で、いずれ「死ぬ」のだ
というのは、自明の理ではありますが、脳内に作り出された印象ではあるのです




我々は、自分自身が作り出したコスモロジーに閉じ込められて、生きているのです

仏教的には、だから、瞑想が必要で、悲劇的コスモロジーから目覚めて、「空」を体得してください、ということになるんですねぇ




仏道を歩む 多神世界をどう生きるか 動画要約

多神教の世界 : 演者は、すべての人を一つの宗教に改宗させようとするのではなく、多様な宗教や無神論者が共存する多神教の世界でどのように生きるかに焦点を当てるべきです。 仏教とキリスト教 : キリスト教のような「啓示宗教」とは対照的に、仏教は個人的な実践と理解を通じて自身の苦しみを...