心経玄談 あとがき

結局
「空」が、そんなに素晴らしいのか
心経の呪が、信じるに足りるものなのか
ということでしょうか

「空」は、説明しようとすれば、それは「空」ではなく、「空の説明」でしかないわけで、どうにも扱いようがありません
「すべての苦しみと厄難が無い状態」と言う他はないのでしょう
ぱっと目をつぶったら、その先は「空」なわけで、そこにあるのですが、どうしようもありません
とにかく、「すべての苦しみと厄難が無い状態」なんだと、自分に言い聞かせるしかありません
たしかに、素晴らしいことですが、イメージがわかないのがつらい
仏像とか、壮大な伽藍とか、いろいろ作り出されてくる理由がわかるような気がします

心経の呪が、信じるに足りるものかどうかは、現在の日本仏教の宗派に心経を読まない、あるいは否定する宗派もあるわけで、一概に言えないということになります
ただ、仏教の2500年に及ぶ歴史を拒絶しないのなら、心経が極めて重要な経典であることが理解されます
仏教経典には、時代や地域によって、流行り廃れの、信仰の栄枯盛衰がありますが、その歴史の風雪に耐えて生き残った、数少ない経典が心経であることは間違いありません
インドから延々と旅を続け、数多の高僧達によって守り伝え続けられ、日本に根付いたのが心経への信仰です

あなたが、心経を大切にしてくださるなら、悠久の時を超えた灯が、また一つ繋がったことになります
その灯が、次に繋がるかどうか、それはわかりません
ただ、いまある灯は、そうやって、お釈迦様から連綿と受け伝えられてきたものであるのです
その灯を、信じてもいいのではないですか



図解 般若心経

心経玄談







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