2008/12/29

制度が先


スイセン



 
 
 
前回GDP比較をしたんですが、こんな国もあるんですね

イギリスのGDP
$2.773 trillion (2007 est.)
歳入$1.154 trillion
歳出$1.239 trillion (2007 est.)

GDP比、約半分の予算規模ですが、経済が低迷し、特に幸福度が高くもない国ですね
金さえかければいい国になる、ということでもないらしいです

スカンジナビアの旺盛な独立心と冒険心を「バイキング精神」というらしいですが、キリスト教の博愛や高率の税金だけでない要素はそれくらいしか見当たらないなぁ


まあ、国民性がスカンジナビアモデル成功の大きな要素で、いずれにしても、研究の価値はある、と
こんなこと、福祉の関係者には常識でしょうが、ま、僕の興味は、金融危機以後の世界の進むべき道筋なんですね


で、新発明の理論でもいいんですが、どこかに参考事例があればと考えているんです


背に腹は替えられないわけで、次の一手をどうするかは、待った無しです


たとえば、財政出動するなら、従来の利権誘導の箱物造りなのか、それとも、社会保障の充実なのか
弱者切り捨て格差拡大の自己責任社会なのか、自立した個人が社会を支える責任を分かち合う社会なのか
などなど


スカンジナビアモデルなどを目安にするなら、社会保障の充実した責任分担社会でしょうね

環境対策、人口増加策、エネルギーと食糧自給率アップなどは、国家として破綻しないために、金融危機があろうとなかろうと進めるしかありません

ただ、今回の金融危機で性懲りもなく露呈した、野放図に私利私欲を開放する市場原理主義は、修正するほかはないのではないですか

じゃあどうするのかと、言葉で言えば社会民主主義ということになりそうなんですが、実際はもっと高度で洗練されたやり方が必要なんです


党利党略、既得権保護、利権誘導、大衆迎合、愚民愚弄

そんなことしてる場合じゃないですよ

 

政治家が馬鹿だ、国民がアホだ、マスコミが悪い、どうせくだらん国だ、人間は所詮そんなもの、とネガティブになるのが正常な反応かもしれませんが、僕は、なるべくポジティブに考えよう、と決めてますので、あくまで、解決策を探すつもりです

制度が先か、心構えが先か
入れ物が先か、中身が先か
姿が先か、内容が先か
これもよくある議論ですが

仏教の伝統に従えば、「姿が先」です
姿にこだわり続けると、内容が充実する可能性は高まります

原則としては

食器を並べてから、料理を盛り付ける、と

不味いものしか作れないんじゃ、そもそも、話になりませんがね

ま、僕は、根拠もなく極めて楽観的です

よりよい未来は、探し続けた人だけが、見つけることができるんですよ


2008/12/27

スカンジナビアモデル

さざんか


 
 
金融危機から始まった不景気は、まだまだ序の口らしい
世界中の政府が対策をうちだしているので、いずれ解決の方向に向かうのだろうが、既に得ているものを失うのは辛い

「小さな政府」で民間活力、といった方向は大きく修正されるだろう
当面は、政府の財政出動が必要だけれど、そのまま世界の政治の流れが「大きな政府」に向かう可能性がある

「小さな政府」の社会保障は自己責任が基本で、保険や年金も各自金融機関を選ぶことになるのだが、この金融機関が、歯止めなく欲ボケ投資を繰り広げ、破綻したあげく、税金注入ということになってる

「大きな政府」は高福祉高負担となる理屈なのだけれど、これが結構うまくいっている国があるのですね

 
このところ、フィンランドの教育制度やデンマーク関係の本を読んでいるのだけれど、参考になることが多い

デンマークは幸福度世界一、フィンランドは学力世界一、スウェーデンはノーベル賞、ノルウェイはロシア、サウジアラビアにつぐ石油輸出世界第3位
これらの国々は、社会福祉先進国としても世界最先端
スウェーデンは潜水艦用のスターリングエンジンなど軍事技術でも最先端で、海上自衛隊の潜水艦も導入している

なぜ、デンマーク人は幸福な国をつくることに成功したのか Amazon

幸福度世界一のデンマークが、どんなふうかというと、

億単位の医療費も国から全額支給される
出産費も葬式代も無料
教育費は無料
大学入試は無い
教師の裁量が大きく、国定教科書がない
マルバツ式テストが無い
大学生には生活費として月額10万円支給
食糧自給率300%
国王を尊敬し、国旗を誇りにしている
風力・太陽光・バイオマスなどでエネルギー自給率156%
など

けっこうづくし、なのですが、税金は高いのです
つまるところ、国民が自分の国を信頼してないと、こうはいきません
税の負担率でいうと60%くらいは払っているようですが、これ、過半数以上ということで、労働が、自分の生活の為でなく、国家の為であるという意味です
普通に言って、国民総公務員ですね
まあ、私利私欲が最優先する社会より、ましな気もしますが

保険や年金、教育費を個人の自己責任で負担するのではなく、高率の税金を払い、国家が保障します
それでいて、高度の民主主義が実現されています

これをスカンジナビアモデルと言うらしいです

これが、脱線してしまった資本主義と拮抗する、新たなモデルかなぁ

 

 

ちょいと調べてみましたが

The World Factbook

デンマークのGDP
$311.9 billion (2007 est.)
歳入$170.6 billion
歳出$156.8 billion (2007 est.)

フィンランドのGDP
$245 billion (2007 est.)
歳入$62.02 billion
歳出 $58.16 billion (2007)

ノルウェイのGDP
$391.5 billion (2007 est.)
歳入$226.3 billion
歳出$158.7 billion (2007 est.)

スウェーデンのGDP
$455.3 billion (2007 est.)
歳入$249.1 billion
歳出$233.5 billion (2007 est.)

スカンジナビア諸国では、フィンランドを除いて、GDPの半分以上の国家予算規模なんですよ

日本を同じ統計でみると
GDP
$4.384 trillion (2007 est.)
歳入$1.462 trillion
歳出$1.567 trillion (2007 est.)

金額は大きいのですが、先ず赤字経営で、GDP比では、歳入自体が少ないのです

一人あたりでデンマークと比較すると、
デンマーク一人当たり歳出
$156.8 billion /548万人で約28,000ドルになります

日本は$1.567 trillion /12700万人で一人当たりの歳出は12,330ドル程度となります

まあ、デンマークは一人当たり日本の倍以上の金を、国民に使っていると

デンマークをお手本に、日本も幸福度をアップする、ということになると、税金は倍にして、支出も倍ということでないと、実現できないということになりますね

デンマークでは出来ているわけで、日本も出来る可能性はあるわけですが、やっぱり、国民が国を信頼して、国は国民のことを心配してないと、こうはいかないのです

悲しいかな、これが一番難しい

増税を唱えて、選挙で勝った政権はありません

日本の貯蓄は世界有数で、1500兆円ほどありますが、これ、将来の不安への貯えであり、老後の心配、病気になった時の備え、子供の学費など、なくてはならない貯金なのですが、この金を、税金として国に差し出し、国は徹底的に社会保障を充実させる、と

保険会社や銀行でなくて、政府を頼りにする、ということですね

そんなことが、日本人にできますかね
スカンジナビアでは、普通なんですが

根底にキリスト教の博愛の精神がある、という説もありますが、キリスト教国は他にもいくらもあるわけで、それが全てということでもないでしょうが、大事なところですね
仏教国は、恥ずかしいな

 

 

教育の問題ひとつとっても

マルバツ式の偏差値教育は、大量生産の規格品は作れるのですが、これからの先の読めない時代を生き残るのは難しい

なんといっても、教師が答えを知っていて、生徒は答えを知らず、すでにある答えの理解度を評価するのが点数主義の偏差値教育です
生徒は、絶対に、先生以上になりません

これからは、すでにある知識を組み立てて、最善の方法を見つける能力が必要なのです

知識の習得を点数で競う勉強ではなくて、創意工夫を育てる教育でなければ、未来には対応できません

で、それをするには、教師の質、少人数教育、時間をかけた授業など、金がかかると
国民すべてに、高度な創造力をつける教育をいきわたらせるには、スカンジナビアモデルが、今ある回答であると

 

まあ、日本は、好むと好まざるとにかかわらず、そっちに向かうしかないなぁ




2008/12/23

直江兼次


長保寺蔵 愛染明王




来年の大河ドラマは直江兼次だそうです


全然、知りません


でも、じつはうちの愛染さんの画像が、使われます

関係ない民放のクイズ番組です

直江兼次の兜に「愛」の字があって、それが愛染明王の愛で、それを説明するのに、うちの愛染さんがわかりやすい、と、遠回りな話です

2009年1月7日19:00-22:00
クイズ雑学王
テレビ朝日

どこらへんで出るかわかりません(汗)
たぶんキャプションで長保寺と出るはずです

2008/12/22

物欲から仏性へ

 

 
 

幸福とは何ぞや、と問われると、またややこしくなってくるのだが


デンマークとジンバブエの間に目盛りをつけて


DーーーーーーーZ


日本は


DーーーーJーーーZ


このくらい、という御宣託だそうです



仏教で言えば
「足るを知る」で、高望みをしなければ、それがそのまま幸福ということにもなるけれど、デンマークとジンバブエどちらか選べ、と言われれば、正直、ジンバブエで暮らしたいとは思えない


正義感に燃える人には、ジンバブエは、いいフィールドになり得るが、日本もたいしたことはない国でありますので、そういう人は是非、日本で活躍していただきたい


 


幸福と言うと、どうも客観性がなくなり、主観的な尺度になりがちだが、「暮らし易さ」と考えれば近いような気もする
しかし、度をつけた「幸福度」という概念は、もっと広い意味にも解釈され、まあ、新しい価値観として育てていくべきものでしょう



 


それで、ここで哲学的命題
幸福度は、上げなきゃならんものなのか?


当たり前だ、当然だ、と言ったところで、その当たり前さ、当然さ、の根拠はなにか、ということ 


ジンバブエは、主権国家として、やりたいようにやっているので、ほっといてくれ、ということになりそうですよ


このあたりがですね、古くは宗教観であり、今風には価値観ということになってくる


そして、この価値観は、持ち合わせが無い、というわけにはいかないのです
今をどう生きるのかに、かかわっているのですから



で、この、言葉で言えば、「幸福度を上げたい」という感覚は、人間に自然に備わっている、というのが仏教の立場です


つまり、それが、仏性です


人間の心の問題で言えば
自分の心を観察して、不平・不満・悪意・愚痴・劣等感・不安に満たされているようにも思えるのですが、実際は、その「ドロドロ」がいやだと思う心も同居しているわけで、そのいやだと思わせる力が、仏性です


まあ、理論的には、ですから、「幸福度を上げる」ということは、仏性に根ざした根本的衝動であって、日本が今まで追求してきた経済的繁栄は物欲に根ざしたものである、と整理することもできてくるわけです


 


国民総幸福度という指標が提唱されているそうですが、ブータンという仏教国で初めて言われたというのも、象徴的ですね


一神教では、神が世界を造ってるんだから、どうも、こういう理屈になりにくいのかな

歴史的には
採集ー狩猟ー農耕ー工業ー情報、と産業構造が変化するのだけれど、幸せの尺度も変わって当然だろうねぇ

それで、普遍的な幸福の指標は、宗教的なバックボーンが必要になるのかもしれない

デンマークに、いかなる哲学があるのか、興味深いですね
マホメットの風刺画(マホメットを爆弾に見立てた風刺画)は記憶に新しいが

たまたま幸福度が高くなった、とも考えにくい

神秘的でもなければ、不可解なものでもない、生活に密着した、もっとも大事な事ですが、ま、わかりにくくはある

 

物欲から仏性へ、などと言ったら、もっとわかりずらいか






2008/12/20

幸福度



昨今の金融危機から始まった不景気


経済が世界規模で不可分に結びついている、ということを肌で感じさせる出来事ですね


まあ、安全保障上は、他国を簡単に攻撃できなくなるわけで、経済の結び付きそのものは方向性は間違っていないと思うけど


 


日本は貿易立国なわけですが、最近の貿易依存度はGDPの28%です
完全依存じゃないんです、それでも金額にしたら150兆円ほどになり、為替などの要因で10%も変動したら、どえらいことになるわけです


貿易依存度


ドイツ、中国、韓国は70%もありますから、これらの国々では今回の世界不況はかなりの痛手になりますね


でまあ、内需拡大をしなけりゃいけないのはわかっているんですが、いかんせん、日本では衣食住が一通りそろっているので、これ以上何か買えと言われても、買わなくてもいいようなものしかない、ということになります


 


つらつら今後の国家戦略を書き出してみると


イギリス式のクリエイティブ産業振興
金融革命の次の産業として、イギリスではもう10年前から取り組んでいますが、日本の場合は、金融革命もおぼつかないわけで、産業構造そのものが後進国になりつつあります


フランス式の人口増加策
フランスは徹底した政策で、実際人口が増えてきています
産婦人科の充実とか、やらなければならないことは沢山ありますね
人口が減ってもかまわない、という人もいるのですが、社会保障費を負担する世代がいなくなりますから、少なくとも人口維持は必要です


フィンランド式の教育改革
なんでフィンランドなのかというと、今の日本の教育は、知っている人が知らない人に知識などを教えることが基本になっているからです
教師が生徒に教えるんですから当然ですが、実社会では、答えの解らない時に最善の方法を探さなければならない場面のほうが多いのです
そして、これから日本が進む道は、自ら切り開くしかありません
それで、今の日本の制度のよいところは残しつつも、答えの探し方を徹底して訓練する必要があるのです


ドイツ式の環境に配慮した社会の実現
ドイツでは太陽光発電を脱石油依存の国策としてとりくんでいます
またライン川やドナウ川は複数の国をまたいで流れるため、水質浄化にも真剣にとりくんでいます
温暖化対策としても、石油などの化石燃料から太陽光発電や地熱風力発電など自然エネルギー利用へ転換して脱炭素社会を目指さなければなりません
小水力発電は水利権の問題をクリアすれば、山間部の多い日本では有望なやりかたです
原子力発電は当面必要でしょうが、なくてすむように進まなければなりません
自動車は重量や排気量ではなく、燃費や排気ガス濃度に応じた税制にしたら、環境対応がすすむのではないでしょうか

 

さて、このように並べてみると、けっこう手本やヒントになる国があるもんです

それで、もう少しレベルの高い話をすると
内需拡大といって、金額が多くなることのみを考えていればよいのか、ということ
実は、幸福度はかならずしも経済的繁栄と一致しない、ということなんです

デンマークなどをヒントにした幸福度の高い国を目指す 
金額ベースの内需拡大よりも、幸福度の増加を国家目標にしなければならないんじゃないかと思います
その道筋の上に、内需拡大もある、と

世界の幸福度は向上~国別ランキング調査
「富」だけではなく「選択の自由」と「寛容性」が大切

The World's Happiest Countries

ちなみに、日本は178カ国中90位

幸福は、平和が前提にあって成り立ちます
安全保障も忘れちゃ困ります
自衛隊の定員確保、警察官と海上保安庁増員が必要だと思いますね
情報活動の強化も必要です
 

自殺者の少ない国
まあ、これも目標にはなるけれど
ギリシャなど、カトリックの宗教的禁忌が強い国では自殺者が少ないです
文化的な歴史かな
これも、健康な方向にもってく努力が必要ですね

 
あと、これを忘れちゃいけません

世界から手本にされるような、行政改革
無駄な予算が多すぎます
権限の委譲や、手続きの簡素化をして公務員を減らす必要があります

 

 

いずれにしても、即効性はないかもしれませんが、余力のあるうちに、未来への布石を打つ必要があります

スローモーではあっても、経済対策は出てきますが、対処療法であって、問題解決ではありません

未来への道筋を見つけなければなりません

やみくもに幸せになろうと言ったところで、取りあえず、なにをどうするか難しいのですが、少なくとも、手本らしきものはあります

今回の世界同時不況は、金銭至上主義から、幸福度追求に舵を切るいい機会じゃないですか







2008/12/19

テストの成績

白川郷の猫

 


 
橋下知事は、思いきった発言を繰り返しているけど
教師の集団は、基本的に人を見下していますから、逆に「馬鹿な奴」と思われておしまいだろう

橋下知事「文科省はバカ、全員かわれ」

問題の本質は、点数主義だろうなぁ
感情論をぶつけ合っても、実際に勉強してる子供たちは浮かばれないよ

大前研一さんが指摘してるんだけど、文科省の敷いた筋道から外れた奴が、実際は大活躍してるんだよね

大前研一の日本人論

スポーツ、音楽、料理など、ちょっと思いつくだけでも、やっぱり、学校でいい子で偏差値よくてなんて、良い子の世界と、違うレベルで頑張ってるんだよね
勉強しなくてよい、とかじゃなくて、目標を決めて、世界最高水準の努力を惜しまないんですよ
ただ、これは、今の日本の学校ではやってません

フィンランド式教育(学力世界一です)にヒントがあるらしいんだけど、フィンランドでは教師のことを「Teacher」ではなく、「Facilitator(進行役ですかね)」と呼ぶんだそうで、根本的に哲学が違う

点数の比較は、極めてレベルの低い能力評価の仕組みで、人間の可能性を貶めている、とまあ、このくらいの認識をしっかり持つべきでしょうね

仏教的に言えば、人はいずれ仏になりますから(死んじゃうってことじゃないですよ、完成された無上の存在という意味です)全ての人に無限の能力があってあたりまえです
 
 
教育は、ベルトコンベアに乗せた大量生産商品じゃなくて、トップブランドの注文品を世に出さなければならないんですよ
そうでなきゃ、子供たちに失礼でしょ

橋下知事、文科省が気に入らないのはわかるけど、もうちょい、先を見据えた哲学を持って欲しいね


2008/12/12

本当の資源

長保寺蔵 十八羅漢図


なんと言いますか、日本論ブームかな
もうどこにもお手本にする所がなくなってきて、材料を自分の足元から探し始めた

最近読んだ本



*は僕の評価



とてつもない日本 麻生太郎 *** 

強く明るく、というテーゼが感じられます
総理総裁となると、やることなすこと批判の対象になるけれど、このくらいの本を書いてから批判するならしてほしい

後出しジャンケンで、こきおろしする位のことは誰でもできるんです

麻生総理は、就任してすぐ解散するべきだったかもね

僕の周辺の、自民党を支えてる中心メンバーの方たちも、自民党自体に愛想を尽かし始めてる
なるようになるでしょう

 

マンガ昭和史 渡辺昇一 **

読まずにケチをつけちゃいけなんで読みました

外れたことは言ってないけどね

田母神さんの師匠格の人なんだけど、まともですよ

僕は明治政府の徳川潰しを知ってますから、まあ、敗戦とはこんなものだという印象ですね

歴史を書き換えたいなら、戦争しなけりゃならないんだよ
それが、戦争の意味なんです
そんな、覚悟があるのかな

 

独走する日本 日下公人 ***

まあ、どこの国も威張ってるんだよ

このくらいのことを言っても、世界では、普通でしょう

ただ、空威張りに終わるかどうか、ということなんですよ
ピーチクパーチクおしゃべりしても、実力がなければ、無視されて終わりです

それが、その、世界では、おしゃべりしない奴は、中身のない奴ということにされてしまいますから、目一杯主張することも必要ってことになる


 

あと3年で、世界は江戸になる 日下公人 **

ああ、これは、ホラ話です

江戸趣味は、これから色々出てくると思うけど、ま、編集者的には狙ってみたんでしょう


 

脳にいいことだけをやりなさい マーシー・シャイモフ 茂木健一郎訳 *

中身は、パクリだらけのパッチワークです

瞑想の効用とか、信念の魔術とか、イメージトレーニングとか、僕的には、わかりきった常識です
勝手に自分の手柄にするなよ、と言いたい

茂木さんは知らなかったんだろうかね、ま、好意的に解釈して

大脳生理学からアプローチして、この本の内容にたどりつくには、まだまだ時間がかかると思いますよ

茂木さんが、この本の続きを研究してくださるんなら、大いに期待したいですね

 

日本でいちばん大切にしたい会社 坂本光司 *****

この本は、皆様にお勧めしたいです

ぜひお読みください

この本では、経営の目的を、重要な順に以下の5つに定めています。

1 社員とその家族を幸せにする これが一番大事


2 外注先・下請企業の社員を幸せにする
3 顧客を幸せにする
4 地域社会を幸せに、活性化させる
5 株主を幸せにする

そして実際これを実行して、大成功している会社を紹介しています

 

 

 

日本は資源の無い国です

石油も、鉄鉱石も、レアメタルも、外国から買わなければなりません

食料の自給もおぼつきません

でも、世界でも有数の豊富な資源があるのです

それは

、です

人口でいえば、世界で10番目に多い国です

内定取り消しとか、派遣切りとか、やむをえないこと、なのでしょうか

日本の文明デザインを考え直さなければならないんじゃないか

武田信玄じゃありませんが、「人は石垣、人は城」です

今年、ノーベル賞で日本人が4人いましたが、学会では、日本の学問奨励の政策に危機感を持っているのです
持っていきかたで、まだまだ良くなるし、潰れてしまう可能性も大いにあるのです

人こそ資源、です

クリエイティブ産業も、人が資源です
これこそが、未来の産業です

日本は、明確な強い意志を持って、人を大切にしなければなりません

 

僕的には

人の中身は、心です

で、心の中身はなにか、考えたことがありますか

 

心の中身は、あなたの存在そのものです

全ては、あなたの心の中にあります

まあ、仏教では唯識といいますが

それで、先ほどの本の1番大事な「社員とその家族を幸せにする」の前に

自分が幸せになる

を付け加えることにします

 



2008/12/11

ぶっ壊れた国

長保寺蔵 梵天  


ジンバブエのコレラ死者が800人近くに=WHOhttp://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-35371220081211

中世ヨーロッパ並みの猛威ですね



ジンバブエの簡単な解説

今までずっと少数派の白人が政治の実権を握っていたが、民主的な選挙で、黒人政治家が増える↓とうとう初の黒人大統領が誕生

何を思ったか「植民地時代に強奪された白人の土地資産を黒人へと無償かつ強制的に権限を委譲しなさい」法案を提出

大半の白人が安値で土地資産を売り払って外国へ。

今度は外資系企業に対して「保有株式の過半数を譲渡するように、逆らったら逮捕」法案を提出↓外資系企業が国外逃亡する

別に国連もアメリカも、どこの国も経済制裁してないのに、経済制裁と同じ状態に陥る

何もかもの物資が国内で不足するので、「市場に出回っている物資が不足するなら、物資を持つ物は絶対に市場に売らないといけない」法案を提出

物資の強制売却で、さらに物資不足が深刻化。当然需要と供給バランスが崩れて高値になる。

物資が高値に成り過ぎて買えない人が続出

「物資を絶対に安値で売らないといけない」法案を提出↓調達コストよりも遥かに安値で売らないといけなくなったので、当然のごとく利益が出ないから国内企業が次々と倒産する

安定していた経済が、脅威の失業率 & ハイパーインフレ になるのを一年も経たずして達成。おめでとう。

失業者があらゆる物資を強奪し、社会不安が増大、交通機関や警察機関も機能しなくなる。政治も収拾がつかず無茶苦茶に。


ちなみに

ジンバブエの2008年3月のインフレ率が過去最高の355,000%に達成したと政府統計局から発表がありました。年率355,000%%の意味は、一年前の物の値段が約3550倍になったということです。日本だと、100円ショップの名前をを355,000円(35.5万円)ショップに変更する感覚?なのです。


http://www.webhistory.jpn.org/archives/40



まあ、やりかたを間違えると、国というものは、ぶっ壊れるということです

人類文明は21世紀を迎えたわけですが、なにもかもが当たり前にあるわけではありません

知恵と工夫、まあ、僕的には創意工夫で、なんとかやりくりしてるんです
僕は、自由という概念は、単純には誉められないんですよ
勝手気まま、という意味にもなりますから
それで、創意工夫

目盛りがあるとして


知恵ーーーーーー愚かさ

この間を、人類文明は行ったり来たりしてるわけです


常々感じてるんですが、普段、人は、あまりロジカルじゃないですよね
感覚的、しばしば感情的


スピリチュアルも、身体感覚が主体になるんだよね、まあ、無理もないが
身体感覚だけを拠り所にしてると、歴史的には、主導権争いになって、感情的対立になり、持続的幸福には至らないです
ロジカルな裏付けが必要ですね



政策ってロジカルなものです
おそらくジンバブエの大統領には、それなりの動機があって政策を出しているんだろうけど、自分勝手な思い込みになっているってことなんですよね

で、党利党略は自己中の下策になりやすい
私利私欲も、そういうことになりますね


 
これは、我田引水になりますが、仏教は最初からそれに気がついているんです

それでも、古代インドや仏教国といわれる国々がうまくいくのか、というと、そうでもありません


これは、相場の格言にあるらしいけど
理性は感情に勝てないからです

ロジックより、感情のほうが強いのです
そして、人間は、感情に支配されているからです


絶望してもいいんだけれど、お釈迦さまも梵天の勧請で説法を始めたわけで、その梵天様の気持ちを大切に、したいとは思いますよ





2008/12/09

夜明け前が一番暗い

日経平均年足



1974からしばらく、日本は絶不調で不景気でした
今回の金融危機は、同じくらい長期間の不景気をもたらす可能性があります

ただし

1978から、グングンと上り坂を上がり始め、絶好調期を迎えます
夜明け前が一番暗い、とは、このことです

いろいろ策はあるとは思いますが、政策が、もたもたというか、スピード感が全くない


ワーキングプアや派遣切りなど、雇用不安は、法人税の減税が効果があるんじゃないでしょうか

法人税はヨーロッパなどでは20%に近付きつつありますが、日本では40%です
世界一高いそうです
それを減税して、不足分は消費税を上げます
税金を法人が払うことから、個人が払うことに変えます
つまり、直間比率の見直し

そうすれば、企業は人を雇う余力ができます
人件費カットをしなくてよくなる環境ができてくる

基本的には、日本は衣食足りてますから、やりくりでなんとかなるはずです

証券優遇税制もしなければなりません
同時に、企業は配当をもっとよくする努力をしなければなりません
日本人が日本の株を買えば、企業の財務状況は改善し、かなり、バラ色の経済の可能性が高まります

今は、日本株の半分は外国人が買っています
外国人が逃げだせば、株価は半値になってしまいます
日本人は実際はもっと株を買う金がありますが買っていません

ご自分のことを考えればおわかりのように、ほとんど銀行預金です
株には上がり下がりがつきものですが、配当をよくすれば、配当目当ての長期保有もできるようになってきますし、日本人が株を買い続ければ、株価は安定的に上昇することができるようになります

それと、50年前の生活を考えれば、人口減はたいした問題じゃないかもですが、高齢化社会は前代未聞ですから、国力の衰微は避けられそうにありませんね
フランス以上の策を出せば、なんとかなりそうなんですけどね
やる気があれば、ですが
http://www5.hokkaido-np.co.jp/motto/20060812/

高齢化社会は、福祉予算がどんどん必要になるし、その負担をする年代が少なくなると、これは亡国につながるわけで、やっぱり、人口の維持は必要でしょうね
甘く考えてるご老人が多いですね



さて、これから日本は、イギリスのように頭脳労働の付加価値を大事にしないとやっていけない国になりますが、はっきりした国家戦略があるわけではありません
早く気が付けば付くほど、傷は浅く済むんですけどね

その時、心が原料になる、と書いたんですが

原料がいくらあっても、刺激がなければ創造は始まりません

原料と刺激
まあ、刺激はありすぎてもマヒすることもあるわけで

衣食足りても、まだまだ安閑としていられないことだけは確かなようですね



2008/12/03

航空祭



航空自衛隊岐阜基地の航空祭(11月30日)に行ってきました

アルバムはこちら
http://picasaweb.google.co.jp/chohoji/2008_gihu_koukuusai#
2008_gihu_koukuusai


大変な人出で、年々多くなってきているらしいですが、今年は11万人集まったらしいです
前幕僚長の問題は、「そんなの関係ない」だったみたいですね
まあ、発言によって航空祭そのものには悪影響は皆無であったと

周辺道路がまったく動かず、帰りのバスに乗るまで、2時間道路わきで待つことになりました
あれじゃ、救急車も動かないし、買い物にも行けませんですね

驚いたのは人出だけではありません


会場にまったくゴミが落ちていないのです
塵一つ無い、とはこのことです
あそこに集まった人たちのモラルの高さを感じましたね

F15に触ってきましたよ
金属の冷たさは無くて、分厚い塗料で表面は紙みたいな感触ですね
あれが200機以上あるんだということですねぇ

いろいろ防衛について考えたり議論したりする人でも、実際触ったとかいう人はわずかでしょうね
あまり、観念的なのは感心しないのです

航空祭からは、白川郷に観光に行きました
天気も良かったし、快適でした




2008/11/28

紅葉

ようやく紅葉が色づいてきました

ここのところ、色がつき始めるのは12月のかかり位になってきています

桜はそれほど時期がずれることはないのですが、紅葉は温度に敏感に左右されますから、これからも徐々に遅れるのではないかと思います


 
金融危機の先の時代、世界は加速度的に変化せざるを得ないでしょう

金余りと多極化が進むでしょう
それがもたらすものを、ダイナミックな変化と見るか、政情不安と見るか

その時
知性、創造性、普遍性、といったキーワードを汲み取ることのできない宗教や哲学は捨て去られると思いますよ

身体感覚や過去の教条にしがみついていれば、シーラカンスやナメクジウオのようにそれなりに生き延びることはできるのでしょうが、亡霊のようになんの感動もない存在になります

宗教や哲学無しのほうがうまくいく、と考えている人もいると思いますが、さらなる高度な文化、芸術、生活の質、といった価値観は、それがそのまま、宗教的であり哲学的でもあります
物質的な満足感を超えた、さらなる価値を求めざるを得ないのです

おすがり系の拝み屋や全体主義カルトなど、まだまだ賞味期限はあるのでしょうが、大衆は益々贅沢で我儘になるでしょうから、淘汰が進むでしょうね


なぜだかわかりませんが、生命は、より高度な存在になろうとする性質を持っています

それは、生きることへの執着だけでは説明つかないのですよ

命を捨てて、なにかを守ろうとすることもあるのですから
たとえば、よき未来と、さらなる価値、わかりやすく言えば、自分の子供たちのためなら、命を捨てても惜しくないと感じてる人も多いのです




色づく紅葉に執着するだけでなく、梢の小さな芽も大事にしてくださいね


2008/11/24

クリエイティブ産業

拝観受付から向い山を見た絵です

この鞍部を熊野街道が通っていて、山越えの道になっています
今でも、軽自動車なら、かろうじて通れる道です

山の形が変わらなければ、山越えの道の位置も変わらないんですね

 
ところで、このところ時事問題を扱っているんですが

田母神前空幕長の考え方は、日本会議の考え方に非常に近いので、まあ、一連のものなのでしょうね

日本の中枢に、意思決定の動機に、伝統回帰といいますか、「昔の思い出アルバム」を持ち出す人たちがいるということですね

で、僕は、やっぱり社会は、経済状態のほうに大きく影響されると考えてますから、日本国の安定と繁栄には内需拡大が必要だという結論なのです
 
 
それで、小室哲也さん保釈されましたが、ここに繋がってくる話なんですよね

 
つまりこれだけ豊かになってしまって、なんでもある日本という国が、いかにして、さらなる内需拡大をするか、ということ

すでにヨーロッパなどでは同じような問題にとりくんでいる国があるのです

同じように、島国で資源がなく、それでいて、すでに十分豊かで、しかしながら衰微しつつあります

それが、イギリスです

大航海時代、産業革命、金融、と時代をリードしてきて、次の一手が、クリエイティブ産業育成です
http://diamond.jp/series/kishi/10001/

武力、経済力をハードパワー(敵を圧倒する力)とするなら、ソフトパワー(味方を作る力)がクリエイティブ産業です  
 
 
まあ、世の中、それなりに進化して、ようやく、ソフトパワーが求められる時代が来たのですかね  
 
 
小室さんの著作権の仕組を使った犯罪も、日本のクリエイティブ産業の未熟さに遠因があると言うことができるのです

また、「昔の思い出アルバム」に執着しても、なかなか未来の豊かさがイメージできないのです

それで、クリエイティブ産業に注目せざるを得ないというわけ

未来のキーワードは、安全・安心・環境・クリエイティブ産業だなぁ

貿易は、島国なんだから当然重要なんですが、貿易にかたよると、あまりに浮き沈みが激しいし、国内産業が無くなってしまい職がなくなりますよ  
 
 
その、ソフトパワーという考え方と、クリエイティブ産業をささえるのは、ほとんど頭脳労働ということになります

頭脳労働の「原料」は、なにかなぁ

心、ですか

フム

魅力的な豊かな心を、持ってください

くよくよしないで、明るくいきましょう


2008/11/23

団子より花、なのか


寺の通用門を内側から書いた絵です

印象の薄い場所も、絵にしてみると、絵になる(あたりまえか)
 
 

最近、時事ネタが多いんだけど

防衛協会は日本会議と近いんだよね
http://www.nipponkaigi.org/

日本会議って、なんか右翼団体みたいな内容なんだけど、一つ一つの主張のパーツは、もっとなことも多い

これって、天台宗の偉いさんもかかわってるようですが、組織的に関与するってレベルじゃないよ
政治に関心強い人が個人的にやってることだねぇ

で、僕的には、
金融危機とか政治の迷走、一口で言うと社会の閉塞感は、過度の貿易依存と内需拡大の行き詰まりが原因だと考えてます
つまり、経済的な要因で社会全体が委縮して暗くなってると

ところが、日本会議の活動は、「日本精神への回帰」が必要だという立場なんだな

団子より花、ですね

まあ、シャツのボタンは一番上からかける、とか言って、思想信条は、なにごとにも基本になるんだが、どうも、僕はピンとこない

日本会議の印象は、「昔の思い出アルバム」、ですねぇ

過去の笑顔というか、過去の成功体験というか、未来が感じられない

木に竹を継ぐことはできず、過去の結末が現在ではあるのだけれど、未来への道筋が「昔の思い出アルバム」だけにあるわけじゃないと思うよ

どうも意図的に、「昔の思い出アルバム」を引っ張り出さなくても、人はほっといても良きものを選択しますよ
「昔の思い出アルバム」という過去の前例が必要、なんて、お役所的だね   

衣食足りれば礼節に関心が向かうし、貧すれば鈍するのではないですか

ほっといても、経済が順調なら、人間的価値が動物的生存から解放されるということでしょう

貧しくても、美しく生きる、生き生きと楽しく生きる、というのはあると思うが、人間の歴史は、安きにながれ、快適さを求め、安逸を貪ってきたんですよ
安逸のための代償もあるんだが、どう考えても、代償は少ないほうがいいに決まってる


そこらへんが、自律的に文明を導くんじゃないかというのが、僕の感想


これですね、僕は、「徳川家の終焉」を皆さんより強く感じるから、そう思うんでしょうね

「徳川家の終焉」は、「過去の美徳の終わり」でもあり、「泣き言抜きの変革」でもあるんですよ
よく見ると、徳川家の統治には、ありとあらゆる良きものがあるんだけれど、唯一最大の欠陥は、永く続きすぎた、ということです
一口で言えば、徳川家無しでも世の中回るようになっていたんです

江戸文化は、おそらくこれから日本が衰微していけば、いろんな再評価がされると思うけど(つまり、縮小均衡のモデルとして)、やっぱり「昔の思い出アルバム」なのよ

いくら「昔の思い出アルバム」の中に美徳が充満してても、さらなる快適さへの誘惑には勝てないんだと思うよ
誰でも、大名みたいな暮らしをしたいのよ

で、そんな即物的な、欲望に満ちた動機であっても、その先には、豊かさのもたらす憂鬱・倦怠や、思考にいそしむ暇が、与えられるわけ

激しく単純化して言い切ってしまえば
衣食足りて初めて、礼節やら思いやりも、具体化できるチャンスがくるんだよ

僕は、インドに何回か行って、限度を超えた貧しさも見てますから、やっぱり、衣食足りることが人間の基本だ、としか言えない

そのために、まともな社会や、努力、助け合い、安全保障、などがどうしても必要だという立場

お釈迦様は、托鉢して生きていけるほどの豊かな社会があって、慈悲を説いても受け入れられたんじゃないですか



日本会議に話を戻すけど、民族宗教としての神道が中心思想にあるんだよね

別に悪かないけど、キリスト教、仏教、イスラム、神道といったものを超えないと、平和の根拠はつくれないよ

古い話だけど、比叡山で第二回世界宗教者会議をやったとき(第一回はバチカン)、すべての宗教にとって最高の価値はなにか、という話になった

「平和」と「幸福」のどっちだ、ということになって

「平和」に決まりました

「幸福」は価値の尺度が自分にあるわけでしょ
「平和」は他者との関係です

「平和」の範囲内で「幸福」を追及しましょう、ということでしょうね


「平和」は特定の宗教だけの価値じゃなくて、関係性です
宗教的というより社会的なもんです  


日本会議は、国民運動を目指してるらしいけど、なるようにしかならんのちゃうかなぁ、と思いますね   



2008/11/14

季節はずれのボタン


ハイヌーン

 

やはり温暖化の影響でしょうね


今年はモミジの紅葉も、まだ始りません


昨日もテレビ局から取材の問い合わせがありましたが、紅葉の気配もないもんね



 


ところで一時給付金ですが


地方自治体で手間がかかるとか、煩雑とか、地方まる投げとか、効果が無いとか、いろいろ言うけど
「ばらまくのがめんどくせぇ」とかって、小役人のサボタージュじゃないの


手順が気に入らなくても、制度として決まったことなら粛々とするしかないのが公務員の「つらさ」かもしれんが、愚痴をゴタゴタ言うのは、後ろでゼネコンが公共事業ばらまきを画策してるんじゃないかと、思ったりしますね


2兆円といえば、単純に、1都道府県あたり400億円
こいつを、どうせばらまくんだったら、学校の耐震補強しろとか、地方交付税でふるさと創生もいちどやれとか、思惑炸裂しますわな


発想の始まりは、景気刺激策だろうと思うけど、麻生総理のリーダーシップ顕示、あるいは選挙の人気取りと、勘ぐったらきりはないです
麻生総理は表立っていろいろ発言したから、攻撃目標に設定されたんじゃないですか
レベルの低い話だ


まあ、麻生総理もこの程度のことをキチッと仕切れないようじゃ困るね



ノーテンキに言わせてもらえば、、ぜいたく品を買えとか、はでに使い切れとか、マスコミが調子に乗ってキャンペーンでもすれば、ばらまきも効果がでてくるんじゃないの


 


問題の本質は、日本は資源のない島国だから必然的に貿易立国を目指さざるを得ず、急激に円高になれば、輸出が全滅状態なって、その上さらに、安い輸入品が国内の価格破壊をするってことでしょう
また、貿易に依存していれば、世界景気の悪化の影響をもろに受ける
ドルは世界貿易の決済通貨ですから、今回のように親ガメのアメリカがこければ、子ガメの日本は、いくら真面目に働いても、こけるしかない

だから、貿易に頼らずに食っていけるよう内需拡大しなきゃならんわけで、これは竹下総理の「ふるさと創生」のころから言い古した課題なんですよ


結局それがうまくいってない


一口に構造改革と言うけれど、お役所仕事は簡単じゃない
今回の一時給付金でも、「ばらまくのがめんどくせぇ」というリアクションが世の中まかり通るのよ


少子高齢化も大問題で
人口が減れば、内需衰滅ですからね
背に腹は代えられないから、いっそ人間も輸入しようとか(移民奨励)言い出す奴もでてくる
外国人参政権もここらへんに繋がってくる問題で、思いつきで対応してたら大変なことになるよ


 


時事問題を書いてたら、いくらでもネタがあるので助かりますが(汗)
この辺で、僕の仕事の範囲の話をすれば


日本人は、もっと意識してポジティブに物事を考えるようにしなければならんのじゃないか、ということ


値段が高くても、いいもの(安全・安心とか)であれば、どんどん買うとか
子供を育てやすい環境に投資するとか
自分の暮らす街をもっと美しくするとか(環境への投資)


肥満体になるような使い方じゃなく、質を高める使い方、でしょうかね


それには、ポジティブでインテリジェントなメンタリティーが
カタカナばかりだな(汗)
明るく賢い、生活態度と考え方が、どうしても必要ということです


寒風の中で、めげずに咲く、ボタンみたいじゃないですか

 

忘れてる人が多いので、言わせてもらうけど
ほんの60年前には、原爆二つ落とされて、日本中まる焼けだったのよ
戦死・戦災死者は300万人
 
今、ちょこっと小金持ちになったり、2世3世のボンボンです、などと、ふんぞり返っても、またまる焼けにならない保障など、自分で作り出すしかないんだよ
 
自分の頭で考えもせず、為政者のこきおろしなどしてる神経が理解できない
そんなことしてる場合じゃないだろ
ヒステリーに執着するのは、生きてる人間も、くだらねぇ霊もいっしょですね
 
格差社会など、歴史が始まってから、ずっとそうだったんだよ
 
賢者と愚者、インテリジェンスとシーラカンス、この差がどんどこ開いてきたのが、生命の歴史です
 
出来るか、出来ないか、ではなく、賢明な選択を、とにかく選ぼうとするしかないんだと思いますよ


2008/11/13

インド仏教聖地 地図


クシナガラ周辺の拡大図は航空写真では見ることができないようです

大きく拡大すると、ブッダガヤとかサールナートなどの大塔の様子や、霊鷲山の香室(釈尊の居室)などが見れて、なつかしいです

便利な世の中ですね



2008/11/12

金融危機

このところの金融危機について

結論から先に言うと、ますますマーケットでお金を運用する必要性と重要性が高まると考えてます

 
サブプライムローン問題を平たく言えば、3000万円の家を買うのに、頭金の300万円だけしか用意してなくて、返せなくなり、2700万円が焦げ付いている状態

この2700万円の借金が、世界にばらまかれているのだが、返さないから公的資金で穴埋めしようと言うのなら、2700万円分のお札を新たに印刷しなきゃならない

もともとは300万円しかお金がなくて、2700万円は未来に生じるはずだった金であり、それが生み出されなかったのだから、2700万円分のお札は、新たに印刷しなければ穴埋めできない

しかも、「高度な金融工学」のおかげで、借金を借金で返す仕掛けが繰り返されているから、サラ金地獄のように、穴埋めするのに必要なお金は、どんどん膨らむ

2700万円を返すのに、また2700万円を借り、それを返すのにまた2700万円を借りれば、×3で、焦げ付いてしまえば穴埋めには2700万円プラス3倍の利息分のお札を印刷しなければならなくなる

これは、アメリカでもEUでも中国でも事情は同じで、財政出動は極めて規模の大きなものになるから、世界中でお金が印刷されまくることになる

つまり、世界中で札束が無茶苦茶に増える

その行き場は、マーケットしかない、ということ


 
リーマンに始まり、アメリカのヘッジファンドは全滅したのだけれど、皮肉なことに、リスクマネーの運用はますます重要にならざるを得ない

その時に考えられるのは、円高、Bricsの台頭、株式市場の復活、でしょうかね

円高は、もうドルはジャブジャブに余ってくるんで、変動水準を変えるくらいのレベルになるだろう
ユーロはどこまでいくかわからんけど、傾向は同じこと

Bricsの台頭は、IMF次第だが、どうも、そこしか有り余るお金の受け皿がないように思う
G20など、案外重大だと思うよ

ハイパーインフレというシナリオもあるけど、なんかその程度で吸収できる規模なんでしょうかね

株価は危機終息の気配があれば、なにかのきっかけで爆発的に上昇するんじゃないかと(無責任な放言ですよ)考えてる
とにかく、お札が有り余ってくるんだから

 

日本は、内需拡大のイメージが湧かないので、円高不況、インフレ、株式市場の乱痴気騒ぎ、のトリプルパンチかもなぁ

地に足のついた内需拡大の、なにか名案ないですか
強烈な人口増加策と、安全・安心にたいする投資拡大かなぁ

そうでないと、「またバブルかよ」になるよ


 
アメリカのヘッジファンドを買収する日本の金融機関があるが、次の一手を示唆してるんじゃないですか
リスクマネーの運用から逃げんるんじゃなくて、参入するという方向性

市場主義経済にたいする政府の規制強化など、今すぐ思いつくことではあるけれど、
縛り付けることは逆効果で、マーケットの生命力を上手にコントロールする必要があるということだと思うよ

益々ありあまるお金を、どうにかしなければならないんだから

 
 
日本の住宅の流動性の確保のためには300万戸くらいの空き家が必要だといわれてるけど、実際は、今700万戸くらい余ってる
入居者が見つかる可能性は、楽観的に言って、いままでの2分の1です

うちの近所も、田舎のせいもあるけど、空き家が目立つし、2軒3軒と家を持っている人も珍しくない


もう馬鹿の一つ覚えみたいな投資は、役に立たないんだよ

でも、マーケットに参加しなかったら、きついインフレでお金の価値はどんどん減る


それが金融危機騒動の先の世界だろうなぁ


僕の仕事の分野の話をすれば
豊かさの中での幸せを追及する必要がある、ってことなんですよ
 
 
富の偏在、高額詐欺、物質的な繁栄の中での孤独、各種経済事件、そういった問題がありふれたことになると思うよ
 
お金を管理する能力が厳しく問われる時代が、もうそこまで来てるってことです
 
 
最近よく貧乏生活とか生活保護とか低賃金とか話題になるし、家計のやりくりが大変だという話もよく聞く
でもこれ、日本に限って言えば、ブランド物を買いあさり、一泊何万円もするホテルに平気で泊まり、高級車を乗り回すようなリッチな生活が、当たり前にある社会で起きてることです
世界レベルで見ても、富める国があり、貧困にあえぐ国もある
 
富の分配と言えば古いお題だし、富の偏在、南北問題と、いろいろとらえ方はあるが、いずれにしろ、お札が有り余っている社会で起きていることなんです
お札はこれから益々だぶついてきます
 
じゃあ貧しい人にわけてやれ、公平に分配しろ、と簡単に言うけれど、歴史は、それが簡単でないことを教えている
 
つまり、豊かさの中で幸せを追及するのも、実は大変に難しい課題だということではないですか



2008/11/11

机の上の本


時事問題や風俗についても、いろいろ書いてみようかと思っているんだけれど

僕の仕事の範囲じゃないように思うかもしれないけれど、天台は大乗仏教の根源ですから、社会情勢からは乖離しないんです

お空の上のことだけじゃなく、足元もしっかり踏みしめよう、ということ

Blogのネタがなくなってきたのもあるが(汗)

 
僕は一冊の本を連続して読み続けるということはしなくて、何冊か机の上や家のあちこちに置いておいて、ちょっとづつ色々な本を読む、ということをしてます
読み続けると、疲れるし、飽きてくる
で、何冊も同時に読む

最近は市や県の図書館から借りたりもするけど、本もよく買いますね
Amazonは買う本が決まっていれば便利

今、机の上にあるのは、量子論の本ばかりだなぁ

シュレディンガー、ペンローズ、佐藤文隆といったところ

チンプンカンプンでも、何冊も読んでいると、おぼろげながら、わかってくるような気がしてくる
まあ、小説を読むようなもんで、「わかる」必要もないけど

どうでもいいや、ってことだと、生きることが終ってしまうからね



2008/11/10

歴史観

ツワブキ


前空幕長の論文が問題になっているけど

自衛隊という組織の仕組みを考えれば、軽率な行為で、更迭は当然、というのが僕の考え方

歴史観を持ってもいいが、立場を考えろ、ということ
現役は、軍事力を直接操作してるんだから、自分勝手な意見は制約されるんだよ

 

そういえば、自衛隊は入隊の時、宗教についての質問はしないらしいよ
信教の自由があるからね

ただ、歴史教育はしてる

まあ、これからは、かなり神経質になるだろうとは思うけど
アルカイダだったりしたら困るから、宗教も、調査対象になるだろうなぁ

で、論文の内容ですけれど

こちら

全体の印象は、「負け惜しみ」かなぁ

 

大東亜共栄圏を軍事力で構築するのには失敗したわけです

兵站(つまり補給)の問題が大きかったと思うけど、日本は島国なんだから、どう頑張っても補給はネックなんだよ
好むと好まざるとにかかわらず、貿易立国の平和国家を追及するしかないんじゃないか

空幕長は、兵站は陸上よりは無関心だろうなぁ
航空自衛隊は伝統的に支離滅裂な人が多いそうだが、このあたりの話でしょうね

 
それと、アジア各国には大東亜共栄圏のいい置き土産がある、などとは、独りよがりで、そんなに結構なものなら、どこの国でも大日本帝国に味方したんじゃないかい
力ずくを前提にした共栄など、身勝手なんだよ

戦争の理由に、コミンテルンの影響ないしは陰謀があると言ってるけど、それが全てということだと、単純化しすぎだと思うよ
幕僚長の発言ということだと、組織の長の公式見解だもんな、妄想のレベルと言っていい
学門的な検証を続けるべき話題であって、決め付けるようなことじゃないでしょう

陰謀など、どこの国でもやってるんだよ
CIAでも大日本帝国中野学校でも
今でも、どこの国でも情報活動はあたりまえでしょう

理由をいろいろ議論したところで、実際には、領土や資源にたいするむき出しの欲望を実現するため、軍事力の行使をしたわけで、当時としては常識的なことだし、今でも、世界の軍隊の常識でしょう
それを、侵略と言うのではないですか


軍事の世界では、クラウゼヴィッツの「戦争論」が基本常識なんだけれど

「戦争とは他の手段をもってする政治の継続である」、という定義は恐ろしい一面があって、政策手段としての軍事力、政策目的を達成すための暴力的手法、と言い換えることもできてしまう

ここらへんが、軍国主義の理論的根拠でしょうな

あるいは、テロも説明つくよ


 

今の自衛隊は「専守防衛」が国是になっているんだが、現場じゃフラストレーションがあるのは事実

あまりに強大な力があるので(自衛隊にですよ、知らん人が多いんだが)持て余しつつあるんです

しかしながら
どっちみち資源の無い国では、継戦能力には限界があるし、島にミサイルを降らされたら逃げ場は無い

専守防衛を基軸にした平和国家をなにがなんでも達成するしか選択肢はないんだよ

その上で、専守防衛の範囲について、シビリアンコントロールをすればいい

僕は今、地元の防衛協会の役付きですから、いろんな人と議論したいとは思うけど、基本はそういう思いです

ついでに言えば、憲法第9条第2項を改正して戦力の保持を認めるべきという立場
核武装は時と場合による、と言っておきます(核アレルギーなどと言っていられなくなるような時が来ないことを祈ります)

どっちみち戦争放棄など、諸外国は信用してないんだから、スッキリさせ、自衛隊に誇りと自信を持たせなければなりません

それが日本の誇りと自信にもなると思いますよ




小室哲哉さんの詐欺

マリーゴールド



詐欺容疑は、確実だろう

小室さんは、ファンや自分の音楽を裏切ることをしてしまった 

それにしても、小室さんほどの才能ある人を、金銭のことで潰してしまった日本の音楽業界も貧弱だと思う

小室さんは、音楽で大金持ちになったのだが、たとえば、アメリカやイギリスの大成功したミュージシャンなり芸能人なりがここまで脱線するだろうか
マネジメントがしっかりしていれば、スムーズに音楽活動ができただろうに

音楽業界の大スターなんだから、もっとまともなマネジメントがなければいけなかった
著作権がどこでどうなっているか、スッキリわかる仕組みがあれば、彼の犯罪はなかったと思いたい 

僕はシンセサイザーの矢吹紫帆さんに、演奏してもらったことがある

その時聞いた話だが、ある新興宗教の団体のお抱えの音楽家にならないかと誘われたらしい
「お金にはなるかもしれないが、インスピレーションが枯れてしまう」と思って断ったと言っていた

音楽なんだから、音で楽しむ、音で楽しませる

そういう気持ちがなければ、作曲や演奏はできなくなるのだろうと思う

小室さんは香港で事業に失敗したらしいが、年間3億の著作権料がはいってくるのだから、やりくりの能力があれば、立て直せたと思う
気持ちが真っ暗になってしまったのだろう

10億以上もこじれると、自殺してもおかしくない
そういう人をいくらも見てきた

この詐欺は、一種の自殺ともいえる 

ちょっと話は飛ぶけど、スピリチュアルの世界で、身体感覚や霊感だけで世渡りしてる方は、感覚だけでなく、管理能力や冷静に自分を知る分別も必要だということなんだよね

感覚と理性ですかね

バランスが難しいよ



量子進化

今読んでいる本

量子進化 Amazon

心身問題人間原理と並ぶ知の最前線ですね


まあ、どうも学問という形にこだわると、唯脳論でなければ取り合ってくれないようなことになって、そんな空気そのものがダサイね
唯識論と量子論がくっついているというイメージが抱ければ、いろいろとスッキリするのだが
ここんとこが、未来に続いてる道なんだと思うよ

Quantum Sense

量子論は観察や実験で検証可能で、たとえばトンネル効果は身近なフラッシュメモリなどに応用もされてる

で、唯識論は、なんでしょうねぇ・・

坐禅か、密教の作法か、な、となると、加持祈祷か

加持祈祷とフラッシュメモリや走査顕微鏡はつながらないねぇ

ま、未来の研究待ちか




2008/11/07

御霊屋展示替え



御霊屋(おたまや)の展示ケースの内容を展示替えしました

今回は、江戸時代の柄香呂と香合、平安後期の不断念仏式です

香合には、今長保寺のロゴマークで使っている家紋の原本が描かれたものもあります
紀伊徳川家が御三家筆頭であることを表すため、三葉葵の家紋の一枚だけを色違いで描いています
おそらく、吉宗が将軍になった時に新調されたものでしょう


不断念仏式についてはこちら

不断念仏式(ふだんねんぶつしき) 一巻紙本墨書 縦27.4 横195.8 平安後期(12世紀)
長保寺における不断念仏の式次第を記したものである。
不断念仏とは慈覚大師が五台山から比叡山にもたらしたもので、一定の期間中、僧侶が絶えることなく、阿弥陀仏を念ずる修法である。
敬白文によると、長保寺においては大治3年(1128)に不断念仏が始まり延慶2年(1309)まで毎年10月に行われていたことが判明する。また、それ以降もこの修法を再整備して継続していくことが述べられている。なお、法然上人の生年は1133年、親鸞聖人の生年は1173年であるから、長保寺の念仏法要の歴史は古い。
巻末の部分には長保寺においてこの不断念仏が大治3年に10月1日一夜の形で始まり、保元3年(1158)には10月16日からの七日七夜に改められ、さらに正応2年(1289)には10月11日からの七日七夜、五昼夜に改められたことが記されている。



ご覧いただくには、境内案内のご予約が必要です
こちら




2008/10/27

長保寺勤行次第 追加しました

キイロホトトギス
 
 
長保寺勤行次第のページはこちら
まだ作成中です
徐々に解説を付けくわえていくつもりです
リンクをクリックすると解説のページにいけます


2008/10/11

観光

ツベロサ

最近、観光客が減った

有名観光地はそれなりに人出があるのだろうけど、和歌山県でも温泉地のホテルや旅館で廃業したり売りに出たりするところが多く、うちだけの傾向ではなくて、全般的な傾向なのだと思う

旅館業は特に、人件費や光熱費など、固定費が多く、採算ラインが厳格にあって、そこを割り込めば、経営は一気に悪化する

うちのようなところは、車で言えば、サイドブレーキを引いて止まっていればそれでも様になる
鳴かず、飛ばず、良くも悪くもなく、ほぼ人畜無益無害に過ごすしかない

これから世界的な不況になれば、ますます観光地はたいへんになるだろう


2008/10/09

オオシロカラカサタケ



こんなキノコが出るのは初めてです

やっぱり温暖化の影響でしょうか

雑草も今まで見たことのないような種類を見かけます


そういえば、熊笹の葉が毛虫に食べつくされました

気候変動は思っているより早いスピードで進んでいるのかもしれません




2008/10/04

ムラサキシキブ



ムラサキシキブ
 
 

今年は源氏物語1000年らしいですが
 
うちの寺も忘れてもらっちゃ困ります
 
紫式部は一条天皇の皇后の彰子様のお付きの女官ですが、長保寺は一条天皇勅願寺なのです
 
だからなんだと言われそうですが、その勅願寺を、この下津に建立した、いきさつがあるのです
 
一条天皇にはすでに定子様という皇后陛下がいらっしゃって、すでに脩子内親王様、敦康親王様というお子様もありました
 
そこに藤原道長の娘、彰子様が入内されたのです
 
そして、定子皇后は3人目のお子様、[女美]子(びし)内親王様の出産でお亡くなりになりました
 

  

一条天皇は、お嘆きになりましたが、道長への憚りがあったのか、定子様の菩提を祈るのに京の都ではなく、遠く熊野に連なる地である長保寺を建立されたのだと考えることもできるのです 
 
これは、記録に残った正史ではありませんが、長保という年号までつけた寺
 
それも創建の長保2年(1000)は定子様がお亡くなりになった、その年なのです
 
 
彰子様は、定子様のお子様をひきとってご養育されましたが、敦康親王は天皇にはなれませんでした
 
その彰子様のお付きの女官の紫式部が書いた源氏物語は、この一条天皇の宮廷生活が題材になっているのです


2008/09/24

クオリティ



シュウカイドウ


なんか今、クオリティのことを考えている

日本はようやく経済成長が一段落して横ばいになってきて、先進国並みの生活をまねることもできるようになってきたけれど、まだまだクオリティに価値があるという考え方が一般的になっているわけではないと思うよ

やってることの中身が同じなら、かっこいいほうがいい
ただそれだけのことなんだけれど

よけいに手間がかかったり、お金がかかったり、時間がかかったりするから、ボツになったりする

でも、好きとか嫌いではなく、クオリティを追及しないなら進歩はないんじゃないですか

まあ、「かっこいい」とはなにか、とか言い始めると難しくなるが
感性の問題だと思うが、やはり、いいものをたくさん見ているうちに自然に身に付くもんじゃないでしょうか

程度の高いものに触れる、見る、ということを意識的にしていれば、知らず知らず細かいところに気が付くようになるもんです、それが、進歩でしょうね

絵画、音楽、料理、建築、ファッション、車、なにごとにも言えている

人間関係や宗教にも言えるかもしれない

骨董品なんか特にそうだけれど、本物を一度も見たことのない人は、真贋を見分けることは絶対にできないのです

ま、ぼんやりしてないで、意識的に、いいものを探してみようかな、とか、考えてます



2008/09/23

修行に対する考え方



先日あるお寺の行事で、近くの天台の住職が4人程集まった
その席で施餓鬼作法の話になった


どうも天台では、作法の統一が無い、という話


つまり、法曼流(ほうまん)と穴太流(あのう)という2大派閥があって、ちょっとづつ作法が違う


信仰や修行は、個人でするものだから、作法に統一感があろうとなかろうと、どっちでもよさそうなものだけれど、何人か集まって法要をするとなると、それでは困る


それが、もう、鎌倉時代からバラバラなんです


だから、やる度にちょっとづつ違うということにもなる


高野山では中院流という流派で一応統一されてはいる

しかしながら、密教の作法は、厳密に言えば、ほとんど無数のバリエーションがあり、実際に、施餓鬼法だけでも、無数の拝み方があり、中院流にもいろんなバリエーションがある
僕は高野山の中院流でも2種類の伝授を受けている

こういうことは、お寺の住職でも、ほとんどの人は知らない


つまり、「こういう時にはこうする」、という方程式のようなものは無いということなんです

だから、原理主義など、つまり、独裁主義に過ぎないということでもある

フランチャイズの外食チェーンのような、マニュアルどうりやれば同じ味になるようなことを考えていても、密教には元々そんなものが無いのだから、新たにお家元を作るような努力が必要になるでしょうな



天台では3年籠山(ろうざん)という制度があって、3年間比叡山を出ずに修行する人が、今でも年に10人前後初めていると思うが、これは、100日回峰や常行三昧をしたりもするが、ほとんどの期間は山内の各御堂で小僧さんをすることになっている
人間関係の中で評価されることが必要だと考えているからでしょう

高野山にはこのような制度は無く、修業は基本的に一人で籠ってする
いわば、個人的な達成感が目的で、超能力者を目標にしているような感じになる

まあ、僕的に言えば、どんな超能力があっても、人間関係が滅茶苦茶ではダメなわけで、天台的な考え方が洗練されていると思いますがね


天台
作法の統一感が無いが、人間関係を重視

高野山
作法は一応統一してるが、修業は個人的なもの


うーむ

どっちもどっちだが(汗)

やっぱり、大乗仏教の母山と、真言密教オンリーの、考え方の違いが出てますねぇ

2008/09/20

よくあるパターン


先日、とある新興宗教の人達が来て、うちの本堂で「世界平和の祈り」をあげさてくれという
なんでも、上からの指示で、ある決められた日程の間にしたいのだそうだ

某有名寺院の名をあげて、去年はあそこ、その前はどこそこ、と各地でやっているらしい
 
 
でかい寺でチヤホヤするから、調子にのるんだョ
なんで、うちに来るんだよ
自分のところで祈れば済む話だろ
 

「世界平和の祈り」そのものは反論するところが無いもんね
まあ、いろいろ団体によって言い方は違うみたいだが



「うちの寺を利用して、ご自分達の宗教の宣伝をしたい、という理解でよろしいんですね?」
と、丁寧にお尋ねしました
おとなですから

新興宗教の信者さん達、黙ってました
正直だね
 
 
新興宗教と言っても、ピンからキリまであるのですが、
教祖様に対する極度の崇拝
貧病争といった日常生活の問題に対して、信仰が直接的解決になるという、過度の刷り込み
自分の宗教を無遠慮に広めようとする、自己中的信念
など

無気力な伝統宗教に無い、さまざまな共通した特徴があります

まあ、好き嫌いはあるでしょうが
 

来年は、「あのお寺でも祈らせてもらいました」と、どこかの寺でお話しになるであろうと思うと、アホらしくなりますな


2008/09/18

透明水彩


娘がペンタブレットを買ったのに刺激されて、ふと思いついて、透明水彩のスケッチを始めました

水彩絵の具は、子供のお古でいくつもあるのですが、ちょっとしゃれたスケッチセットが欲しいと思って、画材屋まで行って選んできました

この絵具を全部使い切ったら、英国製の絵の具でも揃えようかと思います

娘は高校では美術部の部長でしたので、難しいことばかり言いますが、僕は、マイペースで、なるべくズボラな書き方をしようと思っています

基本、サラサラっと

濃いめの鉛筆で輪郭をサラっと描いて、ちょいちょいと絵具を乗せる、終わり


2008/09/15

大麻考

ヤブラン

 
大麻ですけど

医学的に言うと、人体にたいする毒性は酒やタバコに比べると軽微だという説があるらしいですね

まあ、僕的に言えば、変な霊が寄ってくるんでお勧めはしませんが
なんと言いますか、独特の匂いが、独特の霊を呼ぶんでしょうかね

バリヒンドゥーのお面など思い浮かべていただくと、イメージがつかめます
  
 
仮説ですが

全く、無害、無毒なドラッグが開発されて、オリンピックで金メダルを取った時のような高揚感と至福感を得られるとします

これって、人類全てが「小原庄助さん」みたいに「朝寝朝酒朝湯が大好きで それで身上つぶした」状態になって、向上心も努力も無くなってしまって困るんではないでしょうか

このパーフェクトドラッグの胴元は、世界を支配することも出来るようになるかもですね

 
ただ、生命進化の歴史を考えると、生物種は適度なストレスを克服することで、進化あるいは更なる適応を進めているわけで、現状に満足しきってしまえば、シーラカンスのように、あれはあれで、深海で多分幸せなわけで、自己満足の檻の中に取り残されることになりそうです

と言って、さらなる進化をしてどうなるのか、さっぱりわからんのですけど(汗)

それでも、自己陶酔とか自己満足は、慈悲とか共感、思いやり、とは異質なわけで、そこらへんが、薬物による多幸感と、ほんとの幸福との境界線なのでしょうね


2008/09/14

ハードディスクの引っ越し


まあ、これも仕事の一環ということです


起動するのが2回に1回は失敗するようになったハードディスクを新しいハードディスクに取り替えて、なんとかフルタワーのパソコンを使い続けようという試みです


タワーそのものは、もう10年以上前のものですが、マザーボードは5年前に入れ替えて、win2000なら使えます


それで、使えそうなハードディスクをさがしました


Ultra ATA対応 内蔵型HDユニット(3.5型)


http://www.logitec.co.jp/products/hd/lhddaak.html



これの、なかなかに優れものの点は、ハードディスク丸ごとコピーできるユーティリティソフトがおまけで付いている点です


いちかばちか、設定ごと引っ越せることを信じてやってみました



引っ越せるはずが、なかなか再起動しない・・・
ついにお亡くなりになったか・・・

久しぶりに、本気で祈りました(汗)


と、試みること20回目位にやっとこさ再起動して、コピーを開始しました



やれやれ、めでたく引越し完了
何回もガチャガチャと繋ぎ換えたりして、朝から初めて日暮れになりました


設定ごと引っ越せたので、使い心地は元通りになりました


まあ、予備のコンピューターにして待機させておくことにします



2008/09/13

除草剤散布


境内の広さは15000坪ありますから、雑草の生育も半端じゃありません

これは10リットルの電動噴霧器にキャスターを取り付け、10mのホースをつけて長いノズル棒に飛散防止カバーを付けたものです

これで、除草剤のラウンドアップの100倍液を雑草にかけます

ラウンドアップは最近になって特許が切れて、同じ内容のものが5分の1位の価格で買えます
いかにアメリカの農薬屋が大儲けしていたかということですが、たぶんロビー活動のせいで、特許切れのコピー製品は農地では使えないようになりました
でも、非農耕地の雑草には使えます

去年まではこれを背に担いで使っていましたが、散布回数が多くてたいへんなので、キャスターに乗せて使えるようにしました
似たようなしかけの道具も市販されていますが、大変高価ですので、自作しました

月に2回くらい、どこかに散布していますが、境内を一周するころには、雑草はもとにもどってしまいます


2008/09/11

9月の行事予定


9月19日 史跡清掃奉仕 海南市老人クラブ 午前8時より
9月23日 戦災死者慰霊祭 午後1時
9月24日 檀家秋彼岸会 午前10時



2008/09/10

牡丹の消毒

背負子に10リットルの電動噴霧器を乗せ、農業用ノズルをつけてあります

お寺の生活について、それなりにイメージをお持ちと思いますが、うちの場合、どこにも同じような寺がありませんから、どの寺ともやっていることが違います

少しづつご紹介していこうと考えています

 
 
第一弾のこれは、花の消毒につかう道具です

牡丹の花だけで100株以上ありますから、10リットルタンクで2回消毒します

去年あたりから、牡丹のシンクイムシの被害が多発しています
温暖化のせいでしょう

それで、夏場に2週間に一度くらいのペースで消毒します

モスピランの2000倍液と木酢液10ccに展着剤として中性洗剤を少し加えます

モスピランは、農業用の劇薬ですので、普通の園芸店では売っていません
残留性と浸透性があり、食用の野菜などには使えませんが、シンクイムシに有効です

木酢液は虫よけに効きそうなので

展着剤は市販のものもありますが、中性洗剤を使っている農家も多いと思います
成分は変わりません

ノズルは、一般の園芸用はすぐに壊れるので使えません
今使っているのは、ミカンの木などを消毒する時に使う大型ノズルです

もちろん、使うのは僕です


2008/09/09

なぜ仁王さんは裸なのか

大門仁王 吽形
 
 
ロシア人の力士の話の続きですが

なんだかんだ言っても、日本まで来て、ちょんまげ結って頑張っているんだから情けもかけたくなります

大麻についても、あちらでは若気の至りのちょっとした非行であって、日本ではいきなり解雇とか喰らわせられるのでビビッて無実をまくしたてるのもわかります

ちょっと不良かもしれないけれど、日本が好きで、相撲が好きで、力士をしていたのでしょう

反省して、やり直し、という道筋もあってもいいんではないかと思います
 
 
ところで、相撲は冬でも裸でやるものと決まっていますが、もともとは仁王さんの姿らしいですね
よく見ると、髷を結っています


僕の高野山時代の友人に、相撲で国体やインターハイの常連だった者がいます
一緒に、加行監督をしましたが、彼は後に奥之院の行法師をしばらくし、醍醐で修験の行をしました

とにかく馬力が違っていて、一緒に仕事をしていてこちらがくたびれ果てるころ、体が温まって調子が出てくるのです

その彼に、「なぜ仁王さんは裸なのか考えたことがあるか」と聞かれたことがあります

仁王さんは、裸で門番をしているのです
なにも隠さず、正々堂々と、門を守るのです
嘘偽りが無いのです
それでなければ、門前に立てないのです

飾りを捨てて、心と心を通わせるのです
 
 
ロシアの子も、裁判で決着つけたとしても、仁王さんの心がわからなければ、大相撲の力士にはなれんなぁ



2008/09/08

御廟門の土台石


ロシア人のお相撲さん、相撲のクオリティーのレベルに達していなかってことでしょうか
ごちゃごちゃ言ってるようですが、ああいうのは大陸の人達では普通にあることで、むしろ日本人が国際標準からすればお人良しなんです

インドでも中国でも、へ理屈はすごいよ

相撲部屋の親方達の温かさはわかるけど、これは、温かさを理解できる人間に通じることで、温かさを踏み台にして私利私欲を主張する人間には通じません

長く人気を保ち続けるスポーツには、芯になる伝統があって、これは、そのレベルに達してない奴は出て行ってもらうしかない

心技体とはよく言ったもんで、先ず、心なんだなぁ
ま、土台ということで


2008/09/07

山の神様の社

ご神体は、天竜さんという白蛇です


総裁選挙ですが

自民党にもいろいろ事情はあるとは思いますが
大きな政府か、小さな政府か、はっきりさせる必要があるだろうと思いますよ

財政出動と言ったって、財源がないんだから、消費税アップか国債発行しかないわけで
それがいやなら、行政改革断行ということになるが、官僚制度の悪口を集めても即効性はないよ、もっと優秀な仕組みなどこれから作らなければどこにも無いんだから

なにごとも民営化とか民間活力導入とか言うけど、うちのような勅願寺はとっくに民営化しているんで、言わせてもらいますが、経済的なスケールが小さくなるのは避けられません

だけど、官営では維持できないなら民営にするのであって、つまり、社会全般、委縮します
経済活動が縮小均衡しないような施策が必要ですね



民主党は、なにか根本的に勘違いしてるんで、あてにならないと思いますよ


2008/09/06

Vista


このところコンピューターの引っ越しにかかりきりだったのがやっと一段落した
Vistaですけど、もひとつ慣れませんね

いままでwin2000で間に合っていたので使い勝手が悪い
Atokは、かなり相性が悪い
ソフトの対応がいまいち


Vistaのいいところは、起動がしやすいところかな
HOMEPREMIAMのウインドウ切り替えは、使ってみると意外と便利


2008/09/05

睡蓮

そろそろ秋の観光シーズンの準備をしなければなりません

S新聞から観光特集の広告の電話
泉南地域に17万部入って、*万円、数年前だったら相場だけれど、ちょっと高い
最近は広告費をどこでもケチっていて、新聞広告もやりずらいだろう


昨日DELLが届いて、パソコンの引っ越しほぼ終わり
オフィスをプリインストールにしたのでだいぶ手間が省けた

それにしても、新しいWORD、だめだね、こりゃ
ま、慣れるしかないか


2008/09/04

このフルタワーともお別れだ



事務机の周辺というのは、それなりの合理性というものがあるわけで、ただ散らかっているということではありません(汗)




そういえば



10年以上前ですが、和歌山新報という地元新聞に記事を書いたことがあります
インターネット出始めのころだなぁ

物好きなオタクという扱いだったと思うけど、様変わりしたもんです


第12回御霊屋コンサート

  毎年文化の日に十夜会(大治3年(1128))から続く、念仏法要が勤修されます 法要の後に、ささやかな奉納コンサートを行ってきました 今年でもう12回目です 1128年というと、法然さんや親鸞さんがお生まれになる前です 念仏そのものは、慈覚大師が五台山から招来したものですから、...