陀羅尼集經
T18n0901_p0790a22(00)金輪佛頂像法
欲畫其像。取淨白疊若淨絹布。闊狹任意。
不得截割。於其疊上畫世尊像。
身眞金色著赤袈裟。戴七寶冠作通身光。手作母陀羅。
結跏趺坐七寶莊嚴蓮華座上。
其華座下豎著金輪。其金輪下畫作寶池。
遶池四邊作鬱金華。及四天王各隨方立。其下左邊。
畫作文殊師利菩薩。身皆白色頂背有光。
七寶瓔珞寶冠天衣。種種莊嚴乘於師子。
右邊畫作普賢菩薩。莊嚴如前。乘於白象於其師子。
白象中間畫大般若。菩薩之像。面有三目。
莊嚴如前。手把經匣端身而坐。於佛頂上空中。
畫作五色雲蓋。其蓋左右有淨居天。雨七寶華
其の像を畫かんと欲せば、淨白疊、若は淨絹布を取れ。闊狹は意に任せよ。截り割つては得ず。其の疊の上に於て、世尊の像を畫け。
身は眞金色にして、赤き袈裟を著け、七寶の冠を戴き、通身の光を作し、手は母陀羅を作り、結跏趺坐して、七寶荘厳の蓮華座の上に坐せしめよ。
其の華座の下には、金輪を豎て著け、其の金輪の下には、寶池を畫き作れ。
池の四邊を遶りて、鬱金華、及び四天王を各々方に隨ひて立たしめよ。
其の下の左邊には、文殊師利菩薩を畫き作れ。 身は皆白色にして、頂背に光有り。七寶の瓔珞、寶冠、天衣、種種の荘厳にして、師子に乗ぜしめよ。
右邊には、普賢菩薩を畫き作れ。荘厳は前の如くにして、白象に乗ぜしめよ。
其の師子、白象の中間に於て、大般若菩薩の像を畫け。 面に三目有り。荘厳は前の如くにして、手には経匣を把り、端身にして坐せしめよ。
佛の頂上の空中に於て、五色の雲蓋を畫き作れ。 其の蓋の左右には、淨居天ありて、七寶の華を雨らせよ。
現代語訳の概要
その仏の像を描こうと思うなら、清らかな白い絹の布、または清らかな絹の布を取りなさい。縦横の大きさは自由に決めなさい。切り刻んではいけません。その布の上に、お釈迦様(世尊)の像を描きなさい。
お釈迦様は、体は真の金色で、赤い袈裟をまとい、七つの宝の冠をかぶり、全身から光を放ち、手は印相(母陀羅)を結び、結跏趺坐して、七宝で荘厳された蓮の華の座の上に座っている姿にしなさい。
その蓮華座の下には、金色の車輪を立てて描き、その金輪の下には、宝の池を描きなさい。
池の四辺を囲んで、鬱金(うこん)の華、および四天王をそれぞれの方向を向いて立たせなさい。
その絵の下部の左側には、文殊師利菩薩を描きなさい。 体は全て白色で、頭と背中に光があり、七宝の瓔珞、宝冠、天衣などで様々に荘厳し、獅子に乗せなさい。
右側には、普賢菩薩を描きなさい。荘厳は文殊菩薩と同じで、白い象に乗せなさい。
その獅子と白象の中間には、大般若菩薩の像を描きなさい。 顔には三つの目があり、荘厳は前述の菩薩と同じで、手には経典の箱(経匣)を持ち、姿勢を正して座っている姿にしなさい。
仏の頭上の空中には、五色の雲の傘(雲蓋)を描きなさい。 その雲蓋の左右には、浄居天がいて、七つの宝の華を降らせなさい。
長保寺の本尊は 陀羅尼集經の一字金輪佛頂法によって祀られています
普賢菩薩と文殊菩薩のどちらを左右に配置するかは、実は諸説ありますが、陀羅尼集經の金輪佛頂像法に正確に準拠すれば、長保寺の配置が正しいことになります